砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ディスガスティング!!!!(『SNS -少女たちの10日間-』観たマン)

SNS-少女たちの10日間-』を観た。


www.youtube.com

 

人間の裏側を見たくなるのは何故だろう。あの同級生の裏側、同僚の裏側、テレビで活躍する芸能人の裏側、政治家の裏側、電車で向かいに座っているやけに派手な服装をした人の裏側…社会的な表面では飽き足らず、その人の本質を知りたくなる。ただ、その本質が裏側だけであればいいのだけど、時に闇のような場合がある。その闇に出くわした時に、好奇心を満たした快楽と、知らなくていいものを知ってしまった恐怖が感情を支配しだす。

 

SNS-少女たちの10日間-』は、そのある一定数の人間の暗部を照らし出すチェコドキュメンタリー映画だ。子供っぽく見える成人の女優を12歳と偽って各SNSに登録すると、一体どんなことが起きるのか10日間検証する。この、実験概要を聞くだけで、多少のSNS経験がある人なら、どんな阿鼻叫喚地獄が映し出されるかは、わかることだろう。まあ、そう焦るではない。地獄の入口と書いてある分、親切だと思いなさい。

 

設定上の12歳ということを信じ込ませるための芸が細かい。12歳ぐらいの女の子が着てそうな服を着たり、子供部屋のセットも、父が作ってくれた手作りのミニハウスや、自分が描いた絵など、女子小学生のリアリティ溢れる空間作ったりする。ここまで来るとロンハーじゃねえかという感情も湧く。

 

部屋も女子も12歳仕様にして、いよいよ、実験開始。アカウントを作り、写真をアップロードが完了した瞬間から、コミュニケーションを求める男たちからのリクエストが始まる。釣りのように餌を垂らしてしばらく待つのかと思っていたけど、すぐに入れ食い状態になる展開に、最初の恐怖を感じる。あくまで、検証だからな、、、と、心を落ち着かせながらスクリーンを見る。

 

仕掛け人の少女たちは、早速リクエストをしてきた男たちとビデオ通話を開始する。やべえ奴らではあるが、一応、プライバシーはあるため、顔は映像処理されている。その処理の感じが、シルフスコープをつけずにポケモンタワーに入ったときのゴースみたいなのだ。たしかに欲望が成仏できないまま、純真な子どもたちに牙を剥こうとするこの世のものとは思えない幽霊たちという点で、この演出は正解だ。この、ゴースたちがフルスロットルで卑猥なことを浴びせてきて、頭がクラクラする。高校の時に習った単語が反射的に心に表示される。disgusting!!

 

こんな地獄絵図が延々と続くと、Skypeの着信音さえも気持ち悪く聞こえてくる。男たちは、自分なりの手段で、この少女たちとつながりを持とうとする。極東の国の映画館でまで、この愚行がさらされることを知らずに。何百人、何千人と男たちが連絡を取るのだが、意外な事実が明らかになったり、実際に会ってみよう(このあたりはまじでロンハー)となったり、飽きさせない展開もある。実際の面会の部分では、ほんのわずかだがスカッとする瞬間が記録されており、その場面だけ映画館で笑い声が聞こえた。

 

きっと、満腹状態でみたらもっと気持ち悪くなっている映画だったはずだ。夕方に見たのが救いだ。知りたくない闇だったけども、知るべき闇を映し出した、この映画の功績は非常に大きい。