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ガイ・リッチー大好きおじさん(『ジェントルメン』観たマン)

『ジェントルメン』を観た。


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おはようございます。こんにちは。こんばんは。ガイ・リッチー大好きおじさんです。最近のガイ・リッチーはまさかのディズニーの『アラジン』を監督したり、売れ線街道まっしぐら。もちろん、アラジンもめちゃくちゃ良作だったんだけど、私が求めているリッチーは、こんなんではない。もっと欲望に満ちた登場人物たちがずらずらと騙し合い、化かし合いをする、可能であれば部室のようなおっとこくっさい『ロック、ストック…』や『スナッチ』のような欲しているのだ。

 

そんな私はある時、流星群のニュースを知った。流れ星にこの望みを願えば叶うかもしれない。そして目の前に流れる光たちに向かって『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ!』と3回唱えた。するとどうだろう、願いが通じたのか、ガイ・リッチーが往年のおっとこくっさそうな映画をやるとの知らせが届いた。流れ星にお布施したい。

 

そんなワクワクの気持ちをなんとか抑えて 『ジェントルメン』を見に行った。主人公は麻薬王のミッキー。ミッキーは隠居に入るために、彼の持っている麻薬ビジネスの利権を売ろうとするという情報が流れた。果たして彼はその鉱脈を誰に受け渡すのか、ユダヤ人の富豪や、ロシアのオリガルヒや中国のマフィアなどを巻き込む一大事件が描かれる。様々な立場の人間が、その利権を獲得するため、時には協力しあい、時には裏切り、息つく暇なく展開がゴロゴロと変わる。そうそう、こういうカオスだけど、ちゃんとひとつの結果が出るガイ・リッチーが観たかったんだよ。

 

物語は、ミッキーがどうやって麻薬王に上り詰めたか、そして現在のミッキーの状況について、探偵のフレッチャーによる狂言回しからはじまる。往年のガイ・リッチー映画でおなじみのインプットのお時間だ。この、フレッチャーがどうも胡散臭い。信用できない語り手が話してくるから、観客は半信半疑で状況把握をさせられる。相関図をインプットしながらも、頭の中にはクエスチョンマーク。ここで一瞬頭がオーバーヒートするんだけども構わない。詰め込めば詰め込むほど、リターンがでかい。それだけの信頼感がガイ・リッチーにはあるのだ。

 

ある程度の人物紹介が終わって、物語が動き出せばこっちのものだ。それぞれの欲望渦巻く挑戦者たちのバトルロイヤルにニヤニヤするだけだ。裏ビジネスらしい過激な報復手段から、思わず「現代的〜!」と声が出る襲撃方法まで、よりどりみどり。こんなん考えるだけで楽しいんだろうな。

 

数ある出演者の中ではコリン・ファレルが演じる地下ボクシングジムのコーチがお気に入り。ラフなセットアップでヤンキーたちを軽々といなす登場シーンから、とてつもなくかっこいい。コーチはある事件をきっかけに、抗争に巻き込まれてしまうんだけども、そこでの立ち回りに、思わず弟子入りしたくなってしまう。男が惚れちゃう男のうちのひとりだと思う。

 

 

そのコーチみたいな、おっとこくささ溢れるキャラクターの活躍もありつつも、近年の『アラジン』や『コードネームU.N.C.L.E』でも見られた女性キャラクターのかっこよさも際立つ。自分の得意分野でありながらも、決して懐古主義にはせず、新しいエッセンスを加えるガイ・リッチーがやっぱり好きだ。