砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

鼻のはなし

ここ最近、人の鼻が気になってしょうがない。鼻をマスクで隠すのが当たり前の時代だから、こういう人は自分以外にもいるのではないかと信じている。想像の力は恐ろしく、布の向こうにあるはずの鼻のことばかり思い更けてしまう。この人の鼻はどんな形なんだろうか。もしかしたら鼻ピアスをしているのかもしれない。赤鼻だったらこの人にとってクリスマスは嫌なのかもしれない。この鼻の部分の膨らみの大きさは、先祖は禅智内供か?鼻の穴が20個あったらどうしよう。結果として、鼻で驚いたことはひとつもない。

 

反面、対象的に鼻出しマスクをしている人には、冷ややかだ。何、堂々と鼻出してんだよ!隠して神秘的でいろよ!【ネタバレ】とおでこにつけておけよ!と、衛生的な面とは違う理由で、イラッとくる。一体全体、私は、他人の鼻に何を求めているのだろうか。

 

女性と一対一でご飯を食べに行く機会があった。待ち合わせ先への移動中、女性から寝坊したとの連絡が来た。レストランに遅れてやってきた女性は、申し訳無さそうに何度も謝ってきたので、ほほえみながら怒っていないことを伝えようと、その女性の顔を見たら鼻毛がちょこっと出ていたのを思い出した。その日、レストランで食べたランチプレートの味は全く覚えていない。少なくとも私は、他人の鼻に、鼻毛は求めていないことは確かだ。