砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

きっと音楽小学校の生徒あるある

電車に乗っているとき、自分の体ほどの荷物を持っている人を見かけると、どうしても目で追いたくなる。たとえばラクロスのスティック、薙刀や弓などを持った学生たち。制服やジャージを着た部活帰りの彼らを見るだけで、学生生活を楽しんでいるんだなと不思議と羨ましくなる。

 

折りたたみ式のカートに、食材が入った段ボールを2mぐらいの高さになるまで積んで、ロープで縛っているのを電車に持ち込んでいる人もいた。顔つきが東南アジア系の方に見えて、おそらくレストランの仕入れで運んでいるのかな?と邪推していた。その人物は帰宅ラッシュ時に乗り合わせてきていたので、スーツまみれの車内に聳える段ボールがおかしかったことを覚えている。

 

最近見たのは、ソフトのギターケース×2とパンパンになったトートバッグを持って、乗り込んできた女性だ。ギターケース1つならまだ理解できるのに、2つになるだけで、彼女への好奇心が湧くのが面白い。きっと同じバンドメンバーの楽器を運んでいるのだろう。

 

ふと、自分の小学生時代を思い出す。授業が終わって、友達との帰り道で、じゃんけんで負けたやつがみんなのランドセルを持たされるという謎ゲームをやっていた。ひとつ先の電信柱まで4〜5人分のランドセル(中身は教科書がずっしり)を首やら腕やらにくくりつけ、囚人のように歩く。何が面白かったのか思い出せないが、ただランドセルをせずに歩く通学路は短くても気持ちよかったことを覚えている。

 

音大じゃなくて、音楽小学校みたいなのがあったら、目の前の彼女のようなことを頻繁にやってたんじゃないかなあと想像する。ギターにベースにトランペットにパーカッション。一人御茶ノ水状態になって、じゃんけんに負けた音楽小学生はひとつ先の電信柱まで辿り着こうとする。

 

乗り込んできた女性は、ドアの端に位置取り、荷物を置いてしばしの休息をとっていた。そして降りる駅が近づくと、ひとつめのギターケースを背負い、子ガメの上に孫ガメを乗せるように、ふたつめのギターケースを器用に重ねる。そして背中に乗せた楽器のバランスが崩れないようにトートバッグを、ふんと右肩に担いで颯爽と下車していった。きっと彼女は子供の頃からじゃんけんが弱い。