砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

なんかいろいろ(今クールみているのとかミイラとか)

ようやく夏らしい夏が来た嬉しさと辛さを体感している。梅雨時の暑さは「夏」として消化できるのだが、ここから真夏日猛暑日となると、限界突破した夏が日常になってくる。そんな暑さでもいつもどおり鳴くセミって我慢強いのかもしれない。数年も土にいたんだから我慢強いのは当たり前か。

 

『大豆田とわ子と三人の元夫』を最終回まで見届けた。第1話にKID FRESINOが出たという怪情報をもとに、見逃し配信を見始めたらあっという間に、このドラマの虜になってしまった。バツ3というレピュテーションを失われそうな肩書を持つ大豆田とわ子の人生は、こんなにも豊かなものであり、彼女の周りにいる元夫たちの人柄も最高だ。なんか、この人だけでなく、このコミュニティ全体を愛でたくなる瞬間があるのだけど、まさしくまめ夫たちは、そのコミュニティであった。ただし、西園寺、てめえは許さねえ。

 

今クール、唯一見ているアニメ『オッドタクシー』についても書かなきゃと思ったんだけども、リアルタイムの考察ツイートが溢れまくっていて、なかなか書き出せなかった。夜を縦横無尽に駆け回り、時に自我を持ってタクシーを走らせる運転手は、なぜこんなにノワールミステリーとのペアリングがよいのだろう。タクシーは危険から逃げる手段、真相を突き止める手段、ひとり考えにふけるための空間と、何にでもなり得る。

 

ひとつのミステリーが縦軸としてあるのだけど、漫才コンビホモサピエンスのサイドストーリーには心が動く。相方だけ売れてしまった格差コンビは、賞レースで結果を残そうとするが、どうなるのだろう。6話限定のトニーフランクのエンディングテーマは、芸人が大好きな人達は泣かずにいられない。


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渋谷文化村ミュージアムでやっているミイラ展に行った。海外旅行に行けないなら、来日しているやつらに会ったろ!の精神で、体と魂をエジプトに飛ばしてきた。正直、ミイラについては関心がなかったけど、よーく観察してみると面白い。

 

ミイラを収納する木棺の模様が各年代ごとに比較できるようになっていて、個性を感じた。死者の書スカラベなどが描かれており、棺の内側にも、模様が描かれているものもあって、思っていたよりもポップなものだ。当時のエジプトの平均寿命を考えると、2〜30代で死ぬと考えれば、これもひとつの若者文化なのだろうか。

 

そろそろ自分が、この棺に入っててもおかしくない年頃になったのだなあと、感じる。自分ならどんな棺の内側にしよう。好きな言葉とか、ロイ・リキテンスタインのあの絵とか書いてもらおうかな。きっと白装束で、鼻に綿を包まれて、花に全てを包まれるけど、文字や現代アートと一緒に葬られるのも悪くないよな。

 

会場にはA4 1枚の「ミイラの作り方」という資料が置かれていたので、持って帰った。先に内蔵を抜くようだ。苦いはらわたは最初に取り除いてしまう、自分の秋刀魚の食べ方を思い出した。秋、まだかなあ。