『カメラを止めるな!』を観た。
予告編なんて観なくていいです。
巷でも話題の作品を見る時間がようやくできて、とうとう映画館に向かいました。ぎゅうぎゅうづめの満員で見る映画はあんまり好きではないんだけども、ときになんでこんなにも楽しいのだろうと思う瞬間がある。それこそ何にも考えることなく同じベクトルに感情を発散できる作品を見たときである。ブルース・リー的に言うならばDon't think just watch!
そう、この『カメラを止めるな!』もポップコーンとジュース持ってわいわいする娯楽映画であった。たいがいゾンビ映画とはそういうものだ。ある程度規定された展開、チェックポイントを抜けてゴールへたどり着く。幾多も存在するゾンビ映画でこのチェックポイントと我々の想像を超えていくのかが、醍醐味である。『カメラを止めるな!』は「ワンカットのゾンビ映画を廃墟で撮影中に…」という話だ。そして、ここから先は言うことができない。もはやこの作品に関しては、ネタバレをしないというのはコンプライアンス遵守と同等の意味だ。
この一行のあらすじで、「ふーん、、、どうせそういう展開なんでしょ」と察する未見のやつらこそ見てほしい。あらかじめ敷かれているゾンビのレールを疾走しながらのまさかの展開。「え、どういうこと?」が積もり積もっていくのを体感してほしい。それで正解だゾンビという虚構(もしかしたら真実かもしれないが)を真実に昇華させるのがスクリーンの中で、その中で起こる事実に目を逃さないでほしい。
そして結末にたどり着いたとき、あなたは晴れて感染者の仲間入りだ。秘密を知った側になったのだからぼくたちは共犯者だ。こんなにコンプライアンス遵守的に守秘したくなる映画も珍しい。開始時刻を観る。チケットを買う。売店で買う。映画を見る。そして秘密を守る。ただそれだけ。情報を入れるな!ポップコーンとジュースを胃袋に入れろ!!映画館の売上に貢献しろ!!