砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

則るアイドル、破るアイドル

アイドルには、お約束というか法律が存在すると思う。

例えば「おならはしない」だとか「恋愛禁止」だとか。

その口頭申告制の法律を則ることで、アイドルというカテゴリーとして認められ、活躍している。

ただ面白いのはそのお約束を破ることで、「新しいアイドル」という評価を入れる可能性があること。「お約束≒あるある」として定着してしまったものが、その閉塞感を打ち破るようなアクションを起こすことで、更なる世界が広がっていく。

 

そのアイドルのお約束の中で、最近どうしても破壊してほしいものがある。

「アイドルのお母さんめちゃくちゃ若い」である。

 

バラエティ番組によくあるワンシーン

アイドル「お母さんの服借りて高校の友だちと遊びに行くときがあるんですよー!」

40代MC「え、ちなみにアイドルちゃんのお母さんいくつ?」

アイドル「39です」

40代MC「俺より年下やないか!」

 

もうこの件に飽き飽きである。

何回もこの茶番を見ることで「アイドルがかわいいのはお母さんが若くして産んだから」というありもしないステレオタイプを刷り込まれているのが非常に良くない。

晩婚・晩産がすすむ世の中でこのお約束はぶっ壊すべきなのだ。

 

 

アイドル「お母さん、私のお弁当にひじきとか切り干しとか入れるんですー!」

40代MC「え、ちなみにアイドルちゃんのお母さんいくつ?」

アイドル「55です」

40代MC「あと5年で赤いちゃんちゃんこやないかい!」

 

40代MCのツッコミの正解はまだまだ模索中にしても、親が年取ってからの子アイドルは、ある意味センセーショナルではないだろうか。それに、妙な親近感をおぼえる。平均的なバックボーンから突然変異で生まれたアイドルのほうがなんだか注目してしまう。

 

アイドル戦国時代も佳境も迎え、頭打ちとなりつつある中で、

お約束をぶっ壊す「親が年取ってからの子アイドル」や「下痢が止まらないアイドル」、「自己紹介一向に仕上がる気配のないアイドル」「ガラケーだからTwitterにアップする写真の画素粗いアイドル」などの出現を心待ちにしている。