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一筋縄じゃないよね【アステロイド・シティ】

『アステロイド・シティ』を見た。

 


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知らない街に遠征するのはワクワクするけども、その街でハプニングに巻き込まれると途端に不安になってしまう。帰りの飛行機が飛ばなくなってしまったり、ロストバゲージしたり、宿泊先が火災にあってしまったり…荷物ひとつしかない状態では、意外と何をすることもできない。そんな危機的状況を楽しめる人間になりたい。と思っているが、そのようなハプニングに出くわしたこともないので、心の実践ができていない。

 

『アステロイド・シティ』は、アメリカのとある小さな街、アステロイド・シティを舞台にした物語だ。この街の特徴はかつて隕石が落下して、大きなクレーター跡があることで、毎年この街では学生を対象とした科学賞の授賞式を行っている。その授賞式を控え、受賞者の生徒とその親達がアステロイド・シティに集まったある夜にとてつもない大事件が発生するというストーリーだ。監督はみんな大好きウェス・アンダーソン

 

ただ、予告編では全く触れられていないが、この『アステロイド・シティ』というのは劇中劇にあたる。(これで一気に頭の中が混乱するのだけど)劇中劇が映画として実演されているけども、その劇を渦巻く俳優は脚本家の心情も描かれている。一筋縄では楽しませてはくれないのだ。ウェスは過去の映画ではある雑誌にしてみたり、ほんとこういうのが好きだよね〜。

 

その難解さを紐解こうとすることは、ちょっと難しく感じたので、私はウェスのポップな世界観に魅了されてみることにした。このアステロイド・シティでは核実験をやっていたり、宇宙開発をやっていたり、戦後アメリカの物騒なエッセンスが漂う。そんな状況なのにウェスの魔法にかかれば箱庭的世界に見えてくるのが不思議だ。さらに前途のある事件が混乱を加速させる。