今年度の短歌研究新人賞に応募した作品が最終選考通過作に選ばれていました。9月号に10首掲載されておりますので、よろしければご覧ください。
短歌の火を絶やさぬようにこそこそと毎年のように作品を投稿し続けていました。初めて送った2015年にも最終選考通過して、これが2度目。自己最高到達点に戻ってくるまでとても長かったなあ。俗に、創作の場合、「処女作が最高傑作」なんて言われることもありますが、その呪いを打ち破ったまでは行かないけれど肩を並べたという点においては、諦めないで良かったというのが率直な思いです。
とはいえ、こういう賞レースは受賞しなければいけないのもまた事実。特に私みたいな単騎で動いている人間にとっては、バズる体力・資本力なんてないから最終選考通過した程度で称賛してくれる人間はおらず、この事実は風化するだけ。ふと目をやれば馴れ合いの言葉たちが私の前に流れ出して、気まずくなった私は目的地も決まっていないのに、鞍上からムチを振るって遠くへ駆けていくのです。その先になにかあると信じて、大きく実る木の種を探して、集落への羨望をぐっとこらえて。