砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

なんかいろいろ(ステイホーム中のくらしとか)

この自粛機関の中で音楽ライブやネタライブの開催ができなくなった。アーティストたちはオンライン上でフェスをすることを考え、このGWでいくつもの企画がたちあがっている。僕らは家にいながらフェスを、基本的には無料で、しかも複数の、しかも入退場自由で楽しめるという状況になっている。こうなってしまうと、欲の収集がつかない。なるべく自分にとって最適解のタイムテーブルを作り上げることに躍起になる。そんなこんなで一日が終わる。帰りの電車で火照った体と神経をクールダウンする時間もないから余計寂しくなりそうだ。

 

恐ろしいのは、我々は以前の生活以上にコンテンツに対して、ずっと受動的になってしまうということだ。この間に、こつこつと作品を作り上げているアーティストたちの逆襲を楽しみにしているとともに、アウトプットを怠惰している自分に気づいた。そうよブログを書かねば。

 

仕事でももっぱらZoomを使ってオンライン会議をするようになった。みんな各々の画面を向いているようなので、試しにある人へ視線(というよりガン)を飛ばしてみる。やっぱり気づかれない。小さな優越感。どうしても気になるのは右上に小さく映っている自分だ。ずっと頬杖をついたり、首をかしげたり、そんな要素は無いのにぶりっ子的仕草をしていることに気づく。対面の会議でもこんなことしてたのかと恥ずかしくなる。

 

右上の自分を気にしだしてから、姿勢が良くなった気がする。この感覚、なんか他人で見たことあるなあと思ったら、情報番組のワイプだった。気を抜いた時にワイプに映る芸能人の、その場しのぎで口パクでする「美味しそう〜」にそっくりだ。オンライン会議が日常となれば、日本国民全員がワイプ芸を学ぶ時代に突入するのかもしれない。いつもより大きな頷きや、リアクション。先輩の画面に突然現れる子どもたちのやんちゃな動きに口パクで「かわいい〜♪」とF2層の好感度を狙った顔芸。こういう画面映りでのコミュニケーション術とか、結構需要ありそうな気がするんだけどな。講師やってくんねえかなあ、こじるり。

 

映画も映画館で見れなくなってしまった。私は劇場公開された映画をブログにしたためているのだが、それもできない。いくつか書きかけのものがあるけど、それを9月2週目に出す夏休みの宿題のように提出していきたいと思う。あとは、Netflixの新しい作品とかね、そういうところから更新していきたい。2月のアカデミー賞とかどうなるのだろうか。

 

新作をやっていないから過去の作品を見る機会が増えて、この前はタイカ・ワイティティの『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』を観た。モキュメンタリータッチで、ヴァンパイアやその他のモンスターたちが人間界で生きているかを「ヴァンパイアあるある」を用いながら描いた作品だ。

 

こういう"コロナ前"の作品を見てしまうと、現状のことを考えてしまうようになってしまった。この外出できない、密着できないという世界の中で大打撃を受けている種族のうちのひとつがヴァンパイアだ。血を吸えないというのは致命的だ。獲物を捕まえられないから、ずっと棺の中で眠っているのだろうか。ステイ・コフィン状態か。

 

それともオンラインの力を使ってしぶとく、獲物を見つけては、館におびき寄せているのだろうか。例えば、マッチングアプリとかで。食い物(吸い物?)に困っている今のドラキュラならやりかねない。きっと顔の下半分を覆った写真(グラスでお酒を飲んでいるフリしたり、口を手で抑えて笑っているフリしたり)をアイコンにしているやつがいたら、おそらくそいつはドラキュラだ。言葉巧みに誘惑してくるから気をつけろ。