砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

間もなく間をうめてくれ

いやはやオンラインで顔を出してコミュニケーションを取るのは難しい。こういう生活になる前からビデオ通話というものがあったのに、全く利用していなかった自分のことが少し嫌になる。ワイプ的リアクションもそうだけど、気になるのが会話のラグである。誰かの発言に呼応しようとすると、他の誰かとタイミングがリアルなときよりも被ってしまう。それを学んで、誰も出なければ答えようと出を伺うのだけど、今度は妙な沈黙が流れてしまう。間を測る感覚が異様に難しい。これは知らず知らずのうちに身についていたコミュニケーション術なのかもしれない。

 

南海キャンディーズがインスタライブを使って漫才を披露している。新時代の実験だ。これは過去を生きた者の小言かもしれないけど、リアルな間を使ってスパンとツッコむテンポでは無いからどうしてもグルーヴが生まれにくい。このままの生活が続くようであれば、M-1グランプリもどうなってしまうのか非常に心配だ。(もし、実現させるとしても、たとえばガラス越しを隔てて漫才をやるとか、取調室みたいな雰囲気になるのだろうか)

 

通信時のラグがあるだけで、こんなにも変わってくるから漫才というのは繊細なものである。5Gが主流の生活になれば、こういうラグもなくなってきて、サンパチマイクを隔てなくてもかっこいい漫才ができるのだろうか。と、同時に4Gでもラグを全く受けなさそうなスリムクラブの漫才が非常に恋しくなった。