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地球で目覚めてよかった(『パッセンジャー』観たマン)

パッセンジャー』を観た。

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2017年になって、科学の進歩により宇宙は身近になった。とは言うものの、主に東京の一路線を行ったり来たりしながらお金を稼いでいる私にとっては、全くそんな雰囲気がない。望遠鏡も持ってないし、東京は眩しすぎて夜になっても星も見えない。逆に遠い存在なのかもしれない。

 

民間人による宇宙旅行のニュースに、最初はわくわくしたが、まだ、限られたものしか体験できない状況に興奮も冷めてきた。果たして、残りの人生で私は宇宙旅行を経験できるのだろうか?

 

映画も、科学の進歩により、宇宙を舞台にした映画が増えてきた(ような気がする)。そして、宇宙映画も「宇宙で冒険する」夢物語的、異世界的な物語というよりは、「宇宙を開拓する」や「宇宙で生き残る」という、比較的現実的なものが増えてきた。

 

世界の情報がほぼ一瞬で手に入れられる時代に我々は、開拓し飽きた、生活しやすい地球ではなく、宇宙にロマンを求めだすのである。

 

この『パッセンジャー』も、「宇宙開拓」系の映画である。地球から120年離れた星を目指した移民船の中で、冬眠装置の故障により、ある男が、到着より90年も早く目覚めてしまったことから物語が始まる。

 

「早起きは三文の徳」というが、この宇宙船では「早起きは孤独死のはじまり」だ。ひとり空虚な宇宙船内をさまよう男は、やがてもうひとり早く目覚めてしまう女と出会う。しかし、男は女に対し、ある秘密を持っていた。 

 

突然、男に襲いかかる絶望的な状況設定に、同情してしまう。街のような大きさの宇宙船でずっとひとり。しかも、外には出れない。宇宙の無人島と化した船内には話し相手のAIはいるが、緊急事態を想定していないようで、助けを求めても、しらを切る。この人間とAIのシニカルなやり取りが、なんだか、この先に経験しそうなリアリティがある。

 

もしも、数十年後に、私みたいな安月給の人間でも宇宙旅行が可能な時代が来たら、行くのだろうか。臆病者だし、冬眠装置の故障で残りの人生を棒に振る可能性があるなら、地球に残留したい。

 

誰もいない朝にハッと目覚めて、人通りの少ない渋谷を歩く心地よさを知っているからには、なかなか、人生の大きな一歩を踏み出すことができない。いや、踏み出さずに地球の毛布でぐっすり寝よう。明日も地球で目覚めたい。