砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ヒコカツ

引っ越し活動。いわゆるヒコカツをしている。(いわゆらない)

 

いま、住んでいる街に不満は無いんだけどもう5年以上住んでいて、そろそろ次の街へ住みたいと思ったのがきっかけで、今年の最初から頭の中で計画をしていた。とりあえず不動産アプリをインストールする。1月は寒いからもうちょっと後に考えればいいや、3月は出入りが激しいからもう少しでいいやと、いろいろな理由をつけてダラダラ物件情報をお気に入りに入れる作業だけを続けていたら既に5月。衣替えを機にようやく重い腰を上げた。

 

住んでみたい地域にいくつか目星をつけ、休日はひたすら内見をぶちこむ。今の家から2回は路線を乗り換えをするような場所ばかりで物件を見ていたのでちょっとした東京小旅行の数週間だった。

 

それにしても内見は楽しい。何もない部屋で自分の暮らしを想像しながら物件情報が書かれたA4の紙を片手に悩む。自分の希望と違う点があったり、ネガティブなことを言うことはあるけど、頭の中は王様のブランチごっこをしている。「水回りの狭さだけ目を瞑ればこの家賃は安いですね」「おしゃれな内壁ですね」「ここの収納大きいの嬉しいなあ」「へ〜面白い間取りなんですね」みたいな誰にすすめるでもないけどその部屋ごとのアピールポイントを立ち会いの不動産会社の人と共有する。ちなみに「面白い間取り」=「住みやすい間取りとは言えない」ということである。

 

物件レポが上手くなる(?)と、こんな出会いもあった。ある物件では、紹介してくれた不動産会社の人に加え、その物件の管理会社の人も立ち会うという少し特殊なパターンだった。管理会社の人はワイシャツの裾が8割外に出てるおじさんで、のそのそと内見するマンションにやってきて、特にこちらに挨拶することもなく、無言でメインエントランスの扉の鍵を開けた。

 

部屋は、ちょっと経年劣化は目につくけども自分の条件を8割程度満たす物件だった。しかも思っていたよりも家賃が安い。私は管理会社の人に「なんでこの立地で、抑えめの家賃なんですか?」とブランチトーク。すると、不動産会社の人に向かって「いや、調べたらわかりますよね?」と逆ギレ返答。私を無視するおじさんについつい笑いをこらえる。

 

その部屋の内見が終わって、不動産会社の車に戻ったときに、管理会社のおじさんの態度の悪さに「ありえないっすよね」とつぶやく不動産会社の人。「ですよね!」と相槌を打つ。良かった、仲間がいたと、車中で盛り上がった。契約したらあの管理会社と付き合わなきゃいけないくなるという不動産会社の人の的確なアドバイスにより、すぐに選考外となった。

 

そんな紆余曲折を経て、とうとう引越し先が決定。結局、今の生活圏から少し離れた地域に住むことにした。手が震えるぐらいの大金を振り込んで、契約書にばしばし印鑑をして、あとは入居日を心待ちにしている状態である。

 

あと、大きな関門は公共料金系の連絡と引っ越しだ。引っ越しの見積もりをもらわなきゃなあと思ってるけど、Webで問い合わせしたら音速で電話がかかってくるのが本当に怖くてためらっている。少し臆病な性格なもので、もっとコソコソと見積もりをもらえると大変うれしいのだけど。