砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

なんかいろいろ(桃鉄とかニッ社とか)

さんざん雪が降るとの予報が出てたのに、朝に窓を開けたらただの冷たい雨だった。自分の住む東京は、雪に弱い街だから、なるべく雪は降ってほしくないけど、そんなに降る降ると言われたなら降ってほしい。肩透かしを食らったような冷雨に当たるとただただ悲しい。雪に仕立てるはずの寒気が部屋にずわっと入ってきて、目が覚める。コーヒーを入れよう。

 

緊急事態宣言もあるし、なかなか外には出づらい。年末に買った桃鉄もだんだん飽きてしまった。果たして今まで日本を何周したのだろうか。何回森駅でイカ飯屋を独占したのだろうか。今回の桃鉄はオンラインで見知らぬ人と対戦できるのだが、結局その人の考えが読めないのがどうも奥深く入り込めない。妨害するカードを使うときにしゃべりながら牽制したり、ぴったりゴールまでのサイコロの目を出して盛り上がったり、キングボンビーの悪行にみんな揃ってドン引きしたり、ゲームの外側にあるコミュニケーションが桃鉄の面白さなのだ、と気づく。

 

今年に入ってから突然ニッポンの社長が気になる。KOC2020でのケンタウロスのコント、M-1敗者復活戦での惨劇を経て、とうとう興味が止まらなくなる。この間にやっていた配信限定の漫才単独ライブを買って、ニッポンの社長にどっぷりと浸かる。1本目から、この敗者復活戦の一連をつかみにするどころか、セルフオマージュして本ネタまで昇華させるところがニッポンの社長らしい。部屋でひとりゲラゲラ笑ってたけど、きっと会場にいたら他のお客さんとの増幅がすごかったはずだ。

 


ニッポンの社長【敗者復活戦ネタ】〈出番順15〉M-1グランプリ2020

 

最後に用意したネタも、M-1用ネタという名目でフリにフって、とびっきりにふざけたネタを二人が愛おしい。ケツさんの芸人力に吹き出す辻さんという構図が愛おしい。最後のネタ、決勝でやってくれないかなあ。テツandトモとかすゑひろがりずとかと同じカテゴリーとして扱えばいいと思うんだけど。なにもかもフリにしてしまう遊び心ある感覚がニッポンの社長の魅力だ。

 

アルゴリズムは突然、意外なものをおすすめしてくる。自分のYouTubeの画面で表示されたのは立川志の輔師匠の落語の動画。どうやら今年の「志の輔らくご」が中止になったようで、代わりに期間限定で公開されているのだが、これが凄まじかった。


志の輔らくご「ガラガラ」(2011年・パルコ劇場にて収録)

 

商店街の抽選会にあるガラガラを巡って繰り広げられるドタバタ劇。ガラガラなんて最近は回していないし、ショッピングモールなんかは最近、iPadをタッチして抽選する形式の物が多い。ついに我々はガラガラにまでもノスタルジーを感じるようになってしまうのか。商店街よ負けずにガラガラを回す機会を与えてくれ。アルコール消毒はいっぱいするから。

 

「ガラガラ」は、商店街側の人情とプライドが思わぬ展開を巻き起こしていく展開に目が離せないし、ラスト6分の志の輔師匠の狂気迫るシーンには笑わずにいられなくなる。期間限定だから見てよ見てよ!と自分の使っているほぼすべてのSNSに衝動的に投稿してしまった。漫才、コントだけでなく落語もしっかりと吸収して自分の内面を充実させていかなければならないと思った次第。