松屋のドレッシングのことしか考えていない
最近、仲の良い人に会うたびに松屋のドレッシングの話をしている。松屋には卓上にフレンチドレッシングとごまドレッシングが置いてあるのだが、そのごまドレの方が「ごまと野菜のドレッシング」とリニューアルしたのだ。これがとても美味しくて、しばらく他のドレッシングのことが考えられなくなった。
大人になってから「一番美味しいドレッシング」は何なのか?というハイソサエティな話題がかつて繰り広げられたことがある。まだ大人になりたてだった私は、実家で親がたまに買ってくるピエトロドレッシングしか手札がなくて肩身が狭かったのだけど、今なら堂々とその話題に参加できる。お中元でもらったドレッシングの話をする諸先輩方を、このニュースターで打ち破ってやるのさ。自分から話したいテーマを振るのは恥ずかしいから誰か適切なタイミングで頼む。
この新ドレッシングがあれば生野菜がひたすらに食べられるのが良い。松屋の定食についているサラダは、その後のうまトマや豚生姜焼き、最近だと各国の珍しい料理を食べるための免罪符的な側面を持っていたけど、価値観が変わった。早くドレッシングをかけたくて店内の呼出番号画面を観ながらうずうずとボトルを振っている。生野菜定食を出されても全然大丈夫だ。生野菜の大盛りでお願いしたい。
必勝の食べ方も編み出している。おすすめしたいのは牛焼肉定食だ。味付けされていない牛肉でドレッシングを絡ませた生野菜をぐるりと巻いて一気に食べる。牛肉の油っこさが野菜で軽減されるとともに、ドレッシングと肉の旨味が口いっぱいに広がる。これが完全食。フリーズドライにして宇宙飛行士に食べさせてあげたい。
あまりにも美味しいのに世間で騒ぎになっていないので念の為調べてみるとまだテスト段階で、限られた店舗だけで食べられるらしい。その店舗で出会ってしまった幸せを噛み締めている。みんなの食卓であるとともに、わたしの食卓であってくれ、松屋。