砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

有安杏果とキーロック

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盤石だと思っていた5 The Powerからひとり抜ける知らせは電流だった。私の知り合いの緑担当の数名もこの大悲報に悲しむことさえも出来ず、あっけらかんとしておりました。「いつまでもあると思うな親と推し」ということわざが私の心にまたもや突き刺さる。

 

年明けすぐの発表から時間を置かず、立つ鳥跡を濁さずかのように、そのチームを去る。その速さは、どこか中邑真輔が新日本からWWEへ旅立ったあの1月を思い出させるようだ。と考えるのはプロレス好きの行き過ぎる妄想でしょうか。ひょっとしたら、別れというものは、告げてからあっという間に行ってしまった方がお互いにとっていいリスタートを切りやすいのかもしれない。

 

そんなプロレス大好きの私にとって、ももいろクローバーという幸福な沼へ誘うフックとなったのは、実は有安杏果さんだったのです。


【ももクロMV】行くぜっ!怪盗少女 / ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER/IKUZE! KAITOU SYOUJO)

 

行くぜっ!怪盗少女』の間奏で個々のアクションシーンがある。それこそビンタやキックという派手な打撃技の方が見栄えがいい。他のメンバーが華麗に打撃をする中で有安ひとりだけが、昭和プロレスの序盤で見られるキーロックという地味な技を笑顔でかけていたのだ。アイドルの技としてはふさわしくないだろうこの渋めのチョイス。一体こいつは何者だろう。と、興味を持ってしまったが最後。ももクロちゃんを観る幸せを知ってしまった。

 

かつてのプロレスオマージュ色は、かなり減った。けれども、有安杏果のアイドル生活はキーロックのようなものだったのではないか。一撃ではないけども、一点集中でコツコツと相手(=観客)にダメージを与えるサブミッションには、技術が必要だ。22年間で積み上げたエンターテイナーとしての確固たるスキルは、玄人をうならせるほど魅力的だ。あのWAR育ちのレスリングマスターだって有安の虜になってしまったのだ!毎日のように更新されていたブログの「ももかくど」だって、気づけば私達の中に最幸のダメージを残していった。沼にハマったが最後。とき既に推し。キーロックからのクロスフェイス・オブ・JADOで一本勝ち。

 

 

5人の中で一番うしろから見守るようなポジションである有安がいなくなる。バランサーを喪失したような印象を受けるのだけども心配するより、期待しよう。5.23東京ドーム決戦。逆境こそがチャンスだぜ。