砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

チャップマン・パンク(『太陽を掴め』観たマン)

『太陽を掴め』を観た。

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昨年末より公開されていた作品。岸井ゆきのさん気になるBOYなので、本年の一発目として観に行くことを決意したのです。ゆきのさんが気になるあなたには、この映画も観てほしい。 

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東京が舞台となっている物語。バンドのボーカルとして活躍するヤット、フォトグラファーとしてヤットの写真を取り続けるタクマ、その2人の同級生であるユミカの3人の思いが中心となって物語が広がる。ユミカをめぐる三角関係や、3人の家族や友人(ひとくせもふたくせもあるやつら!)が関係を複雑にしていく。

 

この映画で特筆すべきは、登場人物たちが感情で突き動かされていることだ。監督・脚本が20代、主要キャストも20代ということもあり映像からこぼれ出るエナジーが凄い。緻密さなんて度外視した猛進豪速球パンク映画なのである。野球で言えばチャップマン並の速さである。 (※アロルディス・チャップマン - Wikipedia

 

劇中に登場する若者のほとんどが、①何かに縋って生きていく(もしくは生かされている)、②ボキャブラリーがない、という2つの特徴がある。果たしてこれが現代の東京の若者像かどうかはさておいて、東京の空気を多少吸って生きている若者目線を代表して言っていいのならば、若者たちの、自由になれない空虚さに共感する部分がある。都会の若者たちの圧倒的な弱さを映しているのだ。

 

“ミュージシャンやフォトグラファーとして東京を中心に活動”といえば憧れる肩書だが、その裏には、自由のフリをしている一面がある。煌めいているのには理由がある。その自由に行き着くまでに立ちはだかる見えない強大な壁を目の前にして、「太陽を掴め」に出演する若者たちは、ボキャブラリーの無い頭を振り絞って戦っていくのである。

 

 

SMAPのいない国のSMAPネイティブ

去年、衝動的にSMAPについて書いた内容が3本もあったことに気づく。

 

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SMAPネイティブ”として、不安がつきまとう一年であった。宇宙のほとんどはダークマターで出来ていると聞いたことがあるが、それが明るみになって我々を脅かすような感覚でもあった。

 

ただ、不思議な事で8月に解散が決定となってから、季節が涼しくなるにつれて、この事実を受け入れるような気持ちに、というより気の抜けた容れ物になったことを覚えている。もし、私が余命を宣告されたらば、こんな気持ちで死を迎え入れるのかな。

 

2017年1月1日は何事もなくやってきた。ジャニーズのカウントダウンコンサートをつけていたのだが、スーパーヒットメドレーでオリジナルスマイルが流れたときは、ほとんどの観衆はドキッとしただろう。しかし、それ以外は何も起こることなく、堂本光一はまたひとつ歳を重ねたし、空が割れる兆候もなく、太陽はいつものように地上に顔を出し、その光をありたがる人々もいつものように笑顔だった。世界は終わらない。終わっていたとしても新たな世界がまた動き始めただけだ。

 

それにしてもSMAPのコンサートを一回も見に行けなかったのは死ぬときに思い出す後悔のひとつになるだろうな。“アイドルはナマモノ”という常識を覆そうとしたのはSMAPだっただけに余計に感じる。(その分、現在進行形で活躍している人たちの姿を目に焼き付けなければいけない!)去年の心の痛みが、自分の目に届く一生の古傷になれると2016年を生きた意味がない。生まれて初めてSMAPのいない人生がはじまるのだ。

 

時間は有限なものですが、できるだけいろいろな生の姿を観ていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。

2016ハマった楽曲ベスト10について書かせてください

アーティストの皆様、今年も素敵な音楽を作ってくれて感謝感謝でございます。個人的にお耳の恋人になった曲をまとめたかったので書かせてくださいよ、お願いします。俺の心のベスト10。

 

 

 

10位:Kiss Me/lyrical school

リリスクちゃんは、今年出したアルバム「guidebook」の世界観の立体性もすさまじくて、良盤だったんだけども、なんだか落とし込めず。それより私の中でゴリゴリのリピートしたのは、シングルとして発売された「サマーファンデーション」のカップリングの「Kiss Me」だ。憎めない肉食系シティボーイ目線の歌詞をかわいい女の子が歌うってだけでもうたまらないですよこれ。特に大部さんのパート!ああ大部さん、好きです。Twitterでこう言うとエゴサでバレるのでブログで愛を伝える気持ち悪さは持っている。

 

 

9位:恋/星野源


星野 源 - 恋 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

星野ムカつく。そしてここ2年ぐらいで好きなタイプを星野源と答えている女子も許せねえ。そういう童貞臭漂う系が好きな世の女の子を才能で独り占めする星野がやっぱり許せない。でも「恋」には抗えない。雁字搦めだ。

これ、まったくの主観なのですがイントロの部分って、YMOの「firecracker」のエッセンス入ってるような気がしているのは私だけですかね?星野さん、合っていたら連絡ください。あと女の子紹介してください。

 

 

8位:KMTR645 feat.ネコカミノカマタリ/レキシ


レキシ - 「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」 Music Video+メイキング

「アフロの変」を毎週欠かさず見てたBOYとして、池ちゃんのライブを一回も見ていないことは恥ずべきことです。。。しかし、KMTR645でのネコカミもといキュウソと池ちゃんのバランスが絶妙!歌詞の韻の踏み方も芸術的で、この1年のうち1ヶ月ぐらいの朝は「カマ♪タリ♪カマ♪タリ♪」って口ずさんでいたのですよ。そしてこの曲が収録されている「Vキシ」の次のタイトルが気になるばかりです。「レキシックス」とかだとネゴシックスっぽいしなあ。。。

 

 

7位:夜にダンス/フレンズ


フレンズ「夜にダンス」

暇な時間があると、YouTubeで新たな音楽をdigっちゃうのだが、その中で見つけた曲の中で、今年一番私の心を貫いたのがこの曲。夜の街があっという間にきらめき出すような曲に弱いのです。ええ。この曲と出会えて、夜に本気でも、本気じゃなくてもダンスで悦に入るマインドを身につけた私は朝が来るまで無敵だ。

 

 

6位:100%未来 feat.三浦直之(ロロ)/Enjoy Music Club

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私みたいに、ポップカルチャーをもぐもぐして生きながらえている人にはたまらない曲であります。歌詞もきゅんきゅんで、等身大の若者(ぼくたちと錯覚できる!)を描いた恋愛ドラマのようだ。「未来はいつも100%楽しいから」って呪文のように唱えたくなるフレーズ。ああ、俺だってゴッドタンのCM中に女の子とキスしてみたいよ。ダンプ松本が丸藤に迫るCMの途中に。

 

 

5位:Vampire/Awesome City Club


Awesome City Club – Vampire (Lyric Video)

吸血鬼をテーマにした曲というのはこの世にいくつか存在するけども、吸血鬼に噛まれる側(=待ち焦がれ人)という視点だけで一本取られました。この、受動的な恋愛観を肯定する歌詞がとてもキュートなのです。そして、シンセサイザーが鳴り響くイントロのあとに続く「とろり」というフレーズのチョイス。この3文字で一気に世界に引き込まれてしまう。毎年、着実に新たな一面を見せてくれるバンドでございますよ。

 

 

4位:すばやくなりたい/ユニコーン

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疾走感とタフな民生先生の歌声であっという間の3分間。ユニコーン版の「マシマロ」というような言われ方があるけども、本文と関係ある時点で別物だこれは!MVと歌詞、さらに“おっさんバンド”というストーリー性も交じった緻密な一曲だと思うのです。「すばやくなりたい すばやくなくなりたくはない」あたりの言葉遊びはやっぱりOT。“老い”までも、加速ブースターとして利用してしまうというようなおっさんになりたいなあ。

 

 

 

3位:マホロバケーション/ももいろクローバーZ

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ももクロちゃんのアルバム同時発売もシビレましてん。輪廻転生というテーマを2枚で表現するのがまたニクいっすよ。清竜人師匠が提供している「イマジネーション」、「デモンストレーション」の2曲も素晴らしいけども、やっぱり「マホロバケーション」のサビ後半の加速度!体が無条件に動かされてしまう。ももクロちゃん最高かよ。

 

 

2位:FLASHPerfume


[MV] Perfume 「FLASH」

 

この人たちも進化が止まらない。一体どこまで行ってしまうのでしょう。。。幕張メッセまでライブも観に行きましたが、異世界に訪れてしまったようで放心状態になってしまったのですよ。アルバムも名盤すぎて、影響されて「Cosmic Explorer」で連作を作ってしまった。

note.mu

しかし、FLASHが主題歌となった「ちはやふる」を見逃したのです。今年の大きな後悔のひとつ。。。

 

1位:2時間だけのバカンス featuring 椎名林檎宇多田ヒカル

 

今年は、宇多田ヒカルが復活しただけで、しかも、椎名林檎とコラボするという時点で、いい年だった!と言えるのではないでしょうか。月並みな言葉ですが、この曲をリアルタイムに聞けて本当に幸せ者である。みんな幸せ者だ!!2000年代のJ-POPがギュッと凝縮されたこの曲をめぐって物好きたちは、何度、日が昇っても語れることができるのですよ。

 

来年も素敵な音楽に出会えますように。