砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

改名騒動させてください

最近疲れているのかな。「汐留がフジドラマに…」という見出しを見て、日テレとフジテレビがコラボするのかなあと思っていたが、どうやら「汐留」でなく女優の「波瑠」だった。新しい目薬を買おう。

 

そういえば、そろそろブログのタイトルを変えようと思っている。『たまには文章を書かせてください』という比較的弱気なネーミングにしたのは、「どうせ新たにブログを始めても、すぐに飽きるだろうな」という過去の経験に基づくものであった。

 

基本的に月1程度で、気がおもむくままに更新。ブログ欲が高ければ集中更新。そんなものだと思って、名づけたが思ったより気がおもむいているようで、約週2ペースで更新しているのである。これは「バイトのシフトっぽく文章を書かせてください」だ。いやタイトル長えよ。

 

と、脳内であーだこーだ思いながらタイトルを変えようと決意はしたが、まだまだ思案中。もっとビシっと、あなたの脳に刺さるタイトルがいいよね。色々と練って、8月を目処に変えよう。そういえば、最近、タイトルにしたくなるかっこいい名詞を見つけた。

 

 

ケンブリッジ飛鳥」

 

 

昭和の逆襲(『大怪獣モノ』観たマン)

『大怪獣モノ』を観た。

 


映画『大怪獣モノ』予告

 

「特撮」という言葉にときめきを感じる人がいる。そのうちのひとりが私だ。そして「プロレス」という言葉にときめきを感じる人がいる。そのうちのひとりは私だ。そのふたつとも手に汗握るバトルドラマに大変興奮してしまう。この2つが充実している日本に生まれてきて本当に良かった。そしてそういう国だからこそこの『大怪獣モノ』という怪作が生まれたのだと思う。

 

全体的に蔓延する小道具的なボケは大体スベっていることは置いといて、なんといってもその特撮とプロレスの融合こそ、この映画の魅力だ。飯伏幸太鈴木みのるという生粋の“プロレス力”の高い選手が怪獣を殴る!蹴る!投げる!飯伏のハイキックにグネる大怪獣モノの首にニヤニヤ。怪獣の“皮膚のゆとり”が打撃の威力を倍増させている。(そして飯伏の演技の違和感にもドキドキする)

 

こういう殴る、蹴るという無骨でシンプルな戦闘シーンこそ「昭和」の力なのである。「平成特撮」しか経験していない私からしてみたら、どうしても、CG演出、フォルムチェンジ、おもちゃ屋さんで買ってみたくなる武器こそが特撮というイメージなのだが、そんなのはチャラかった。男なら裸で戦いやがれというのが「昭和」だ。キャラクターの感情の機微なんかぶっ飛ばして、とにかく詰め込んで、すごい映像を喰わされる。それが「昭和」なんだ。特撮にリアリティなんてどうでもいいやと笑い飛ばしたくなる。

 

カメオ出演毒蝮三太夫ら特撮レジェンドも出演しているなど“文脈”も語りたくなってしまうのもニクい。ああ私も将来的にはお年寄りの間で人気者になりたいなあ。愛のある「ババア」を発するには、相当の人生経験は必要だが。そのときが来るまで地底に潜って長生きしてやる。

 

うらやまシング(『シング・ストリート』観たマン)

『シング・ストリート』を観た。

 


「シング・ストリート 未来へのうた」予告編

 

いやあ、去年観た「はじまりのうた」に続き、素晴らしい作品でした。ジョン・カーニー最高かよ!なんでキーラを1回ディスったんだよ!自他ともに認める貧乳だからか?

takano.hateblo.jp

 

前回の「映画観たマン」で書いた『ブルックリン』と同じ、アイルランドを舞台にした物語。ブルックリンの時代から約30年後のダブリンでの青春群像劇。こんなエモい映画が連発するし、GDPの成長率もエグいし、最近のアイルランドすごいなあ。一緒にコナー・マクレガーみたいなタトゥーする?

 

さてさて、前回の『ブルックリン』と同じように、この『シング・ストリート』にも、「無気力」「麻痺」というアイルランド的キーワードを映し出している。特に、学校に通う少年たちの親世代だ。当時の高い失業率で行き場を失う親、アルコール中毒家庭内暴力をする親、カトリックの決まりにより離婚ができない不仲な親、そういう親たちが「麻痺」状態の中で、主人公のコナーを救うものが、Duran DuranThe CureなどMTVから流れてくる海の向こうの音楽だった。作中で、コナーはバンドを組むがそのジャンルを聞かれた時に「未来派だよ」と発する。「麻痺」した当時のアイルランドから未来へ向けて「脱出」する。この脱出計画こそ『シング・ストリート』の本質である。

 

そのバンドをはじめるきっかけも、学校の向かいにいた女の子がめちゃくちゃかわいいから「ビデオを撮るから出ない?」という、ど青春な展開。そしてそのビデオに詰め込まれるアイデアも自由奔放でキュンキュンくる。ああ羨ましい。こんな高校生活過ごしてみたかった。むやみやたらにジャンプしながら歌いたかった。とにかく理由を「ロック」で済ませたかった。子宮に響くリフを鳴らしたかった。ああ、なんであんなに英単語を必死こいて覚えていたのだろう。。。

 

そして、この映画を観た人なら誰しも虜になるのがコナーのお兄様。彼がコナーにロックとはなんぞやを説いていく。「Rock'n'roll is a risk」という言葉は、言い得て妙。きっと一生私の鼓膜に残るはず。ロックンローラーじゃないけど。そして、『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックよろしく彼に“How to rock”を注入するわけですよ。その兄弟愛にウキウキ。こういうお兄ちゃんがいなかったから私は、ひたすら王朝の変遷とかを記憶していたのだろう。

 

ひたすら自分の高校時代を呪いながらも、目の前で繰り広げられる青春にキュンキュンおじさんでした。まるっと3年間取り替えてくれませんか?