砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

練り練

「練り」という言葉が突然お気に入りになった。「練り」という音の響きと行為の組み合わせがなぜだか気持ちいいというか、おもわずふふふという環状になってしまう。そういえば知育用菓子のあれも3回は練っている。知的好奇心をくすぐる単語なんじゃないかな。「練」ったら面白そうな言葉を探すことにしました。どの言葉がハマるか練習しよう。

 

 

練りりんご

 

練り毛

 

練りワンピース

 

練りハンカチ

 

練り神社

 

練りじゃんけん

 

練りヘッドホン

 

練りくらべ

 

練りドイツ

 

練りデンタルオフィス

 

練りジェンガ

 

練り明かり

 

練りオランウータン

 

練り塗布薬

 

練り世界遺産

 

練り審判

 

練りビル

 

練り猫

 

練りトランシーバー

 

練りショパン

 

練り下

 

練りCA4LA

 

練り業者

 

練り40代

 

練り瓦

 

練りヌー

 

練りシベリアンハスキー

 

練りポーズ

 

練り馬

 

練り行進曲

 

練りコーヒー

 

練りAvicii

 

練り専門学校

 

 

 

うーん、まだまだ鍛錬が必要だ。

After the TANKASONIC 2018

少し前ですが、Twitter上でTANKASONICという大規模なフェスがありまして、各々が特定のアーティストをテーマに短歌を発表するというもの。以下から見れます。ボリュームがすげえ。3日じゃ足んねえ。

 

 

 

私はだいすき(!)な岡村靖幸さんの空気感をイメージしながら参加させていただきました。Day1におります。タイムスケジュール的に観ると空模様はマジックアワーな感じでしょうか。題名は「purple」です。

 

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purple

 

恋人たちラヴァーズよ性や愛やと言う前に前ならえだって岡村ちゃんだぜ?
 
 
ビスケット ぼくでふやけろ 朝食の子供が抱く好奇心みたいに
 
 
パラソルを差して待ってる家庭教師の横顔をスケッチしたい
 
 
いままでに君いろづけた口紅の名前をひとつずつ教えてよ
 
 
葡萄酒をこぼしにおいでよ何度も言う君の住所は画数が悪い
 
 
コンプライアンスは守るよ苦しくてなにかが駆逐される口づけ
 
 
なまぬるい甘みは灰で舌に残り続ける午前8時か9時まで
 
 
モテそうと言われた瞬間ときからゆっくりと否定した手が透明になる
 
 
君の願うすがたをずっと眺めてる補欠の席のビブスに吹く風
 
 
IDとパスを忘れて青春の退会手続きができないの

 

 

 

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前に岡村ちゃんの「愛はおしゃれじゃない」で10首作ったことがあって、ただ少し無理に作ってしまった部分も感じていたので、そのリベンジも兼ねる意味で今回、岡村靖幸というアーティストを指名させていただいたわけです。

note.mu

 

他の方の作品も拝見しましたが、好きなアーティストをテーマに短歌を作るといくつかのパターンに分かれるなあというのが気づきでした。①歌詞やタイトルを織り込んだ題詠型、②そのアーティストが言いそうな言葉、作りそうな短歌を作る憑依型、③ファン目線としてそのアーティストを表現する観測型、④曲やそのアーティストのイメージやブランディングを短歌に落とし込む変換型、大きく分けて4つぐらいになるかと。

 

このパターンで振り返ると、私の場合は①と②が多いですね。曲名を入れて、岡村ちゃんをテーマにしたものだと気づいてもらいつつも、②のような「岡村ちゃんが言いそう!」という表現にチャレンジしたというか。岡村ちゃんの作中に登場する男子の不器用さをうまく落とし込もうとしました。

 

5首目は、作成当時にKICK THE CAN CREWとのコラボ作品が出るという時期で「住所」というタイトルだけ先行発表されていたんですよね。岡村ちゃんだったらなんと言うのだろうかというのを想像して作りました。「住所一緒のとこにしよう 約十畳くらいの部屋でどう?」とはなあ。やっぱ岡村ちゃんいいなあ。かっこいいよなあ。

 

いつか、岡村ちゃんにこの作品が届くことを信じて。

犬の東出、猫の東出と猫(『寝ても覚めても』観たマン)

寝ても覚めても』を観た。


映画『寝ても覚めても』90秒予告

 

一度だけ、もう二度と会うことはないだろうと思った昔の恋人を偶然街で見かけたことがある。人通りの多い中、その元恋人は友達とガールズトークのようなことをしていた。きっとむこうは気づいていないだろう。もう願望に近い。当時はその街から出るまで逃亡者のように心臓がバクバクだったことを思い出す。

 

寝ても覚めても』は主人公、朝子の偶然で残酷なラブストーリーだ。大阪に暮らしていた朝子は麦(ばく)という男と一瞬で恋に落ちる。もうそれはそれは盲目な恋愛は麦の失踪により突然終わりを告げる。2年後、朝子は東京でカフェ店員をしていた。その彼女のもとに麦と瓜二つの男、亮平が現れる。好きだった男(ではないのだが)が違う形で現れたときの朝子の揺れ動く感情が面白い。おじさんの俺だってそうなるわ。

 

この映画を見たあと、ぱっと思いついたのが『勝手にふるえてろ』だ。(朝子の友人役に渡辺大知が出てたというのもあると思うが)理想(いなくなってしまったひと)と現実(今ここにあるひと)の狭間で悩む女性はパワフルだ。これは現実でもそうなのだろうか?(そのへん教えてください)ただ、自分の感情に正直になるもならないも恋愛している時点でそれは正しいと思う。

 

この恋愛の問題に悩み満ちる朝子を演じるのが唐田えりかのような素朴顔の女優であることが素晴らしい。どこにでも居そうな人にだって、壮絶な恋愛を抱えているんだという気づきを与えてくれる。カフェの店員さんだって、疲れた顔のサラリーマンだって、もしかしたらあなたの母親にだって、忘れられない恋をしてきたから今があるのかもしれない。その日常では誰も見向きもしない立体感が恐ろしかったりする。

 

そして、麦と亮平の一人二役を演じているのが、みんなの東出昌大である。この東出兄さんの二人の演じ分けにニヤニヤしてしまった。麦は自由奔放で、誰かに養われないと死んでしまうんじゃないか?でもなんだか惹きつけられてしまう。動物で言うなら猫だ。一方、亮平は大手酒造メーカーに勤めるサラリーマン。着実に社会に貢献しているし、麦と比べれば犬的な人間である。この対比も朝子を悩ますポイントになるのだが、それはそうと表も裏も楽しめる軽い東出まつりになっている。犬っぽい東出猫っぽい東出をお得に堪能できちゃう。

 

展開が衝撃だったので、これはいたる所のあなたに見てほしいのだがこれを最後の切り札として紹介する。これは猫映画だ。猫東出も登場するがきちっとした猫も出てくるし、非常に良い役割を果たすのだ。毎年必ず出てくる素晴らしい猫映画。今年は『寝ても覚めても』が最有力候補だとおもいます。

【メモ:過去の年間最高猫映画

2016:FAKE

2017:ギフテッド