砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

After the TANKASONIC 2018

少し前ですが、Twitter上でTANKASONICという大規模なフェスがありまして、各々が特定のアーティストをテーマに短歌を発表するというもの。以下から見れます。ボリュームがすげえ。3日じゃ足んねえ。

 

 

 

私はだいすき(!)な岡村靖幸さんの空気感をイメージしながら参加させていただきました。Day1におります。タイムスケジュール的に観ると空模様はマジックアワーな感じでしょうか。題名は「purple」です。

 

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purple

 

恋人たちラヴァーズよ性や愛やと言う前に前ならえだって岡村ちゃんだぜ?
 
 
ビスケット ぼくでふやけろ 朝食の子供が抱く好奇心みたいに
 
 
パラソルを差して待ってる家庭教師の横顔をスケッチしたい
 
 
いままでに君いろづけた口紅の名前をひとつずつ教えてよ
 
 
葡萄酒をこぼしにおいでよ何度も言う君の住所は画数が悪い
 
 
コンプライアンスは守るよ苦しくてなにかが駆逐される口づけ
 
 
なまぬるい甘みは灰で舌に残り続ける午前8時か9時まで
 
 
モテそうと言われた瞬間ときからゆっくりと否定した手が透明になる
 
 
君の願うすがたをずっと眺めてる補欠の席のビブスに吹く風
 
 
IDとパスを忘れて青春の退会手続きができないの

 

 

 

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前に岡村ちゃんの「愛はおしゃれじゃない」で10首作ったことがあって、ただ少し無理に作ってしまった部分も感じていたので、そのリベンジも兼ねる意味で今回、岡村靖幸というアーティストを指名させていただいたわけです。

note.mu

 

他の方の作品も拝見しましたが、好きなアーティストをテーマに短歌を作るといくつかのパターンに分かれるなあというのが気づきでした。①歌詞やタイトルを織り込んだ題詠型、②そのアーティストが言いそうな言葉、作りそうな短歌を作る憑依型、③ファン目線としてそのアーティストを表現する観測型、④曲やそのアーティストのイメージやブランディングを短歌に落とし込む変換型、大きく分けて4つぐらいになるかと。

 

このパターンで振り返ると、私の場合は①と②が多いですね。曲名を入れて、岡村ちゃんをテーマにしたものだと気づいてもらいつつも、②のような「岡村ちゃんが言いそう!」という表現にチャレンジしたというか。岡村ちゃんの作中に登場する男子の不器用さをうまく落とし込もうとしました。

 

5首目は、作成当時にKICK THE CAN CREWとのコラボ作品が出るという時期で「住所」というタイトルだけ先行発表されていたんですよね。岡村ちゃんだったらなんと言うのだろうかというのを想像して作りました。「住所一緒のとこにしよう 約十畳くらいの部屋でどう?」とはなあ。やっぱ岡村ちゃんいいなあ。かっこいいよなあ。

 

いつか、岡村ちゃんにこの作品が届くことを信じて。