『スティーブ・ジョブズ』を観た。
私はダニー・ボイル監督が大好きだ。高校生の時に『トレインスポッティング』を観て、完全に頭を撃ち抜かれてしまってからは、新作が上映するたびに出来るだけ公開日に観に行こうとしている。その、ダニー兄やんの待望の最新作が日本にやってきた。もちろん早速、映画館へGO。
どちらかというとかっこいい音楽を盛り込むダニー色な表現は少なめで、ひたすら会話をしまくる内容であり、自分なりに言葉にするならば「アメリカっぽい」というかそんな印象か。とはいえ、ダニー兄やんはニクい展開を生み出す。この『スティーブ・ジョブズ』、三幕構成で話が進んでいく。その三幕すべてが新製品のプレゼンテーション直前の場面であり、ビジネス・プライベートの問題が一気に押し寄せてイライラするジョブズとそれに振り回される周りの会話(というより口喧嘩に近い)が繰り広げられていく。
三幕それぞれで発表される新製品(1984年のMacintosh、1988年のCube Next、1998年のiMac)の時代を表現するためにファッションの違いはもちろんのこと映像の質にも違いがある。リニアな伝記物語でなく、各時期のプレゼン直前を比較したということに唸ってしまった。
この映画を観た後に、YouTubeで当時のプレゼンが無いかどうか探してみたら案の定あった。
正直、30年後に生きている我々からしてみたらこの技術が最先端だったことに驚きを隠せない。機械がしゃべることなどSFの世界だったんだなあと改めて感じる。
あっという間にスティーブ・ジョブズという男は偉人として殿堂入りしてしまった。自分が生きている間に偉人として認められた人はあんまりいない気がする。こういとも簡単に崇拝されだしたのは少し変な感じもするが。そういえば小学校とかに置かれていた「世界の偉人」シリーズにもスティーブ・ジョブズ版が早速出ているとのこと。(そして、それはiBooksで読めるらしい。すげえよジョブズ!)
もちろん私も恩恵をきっちり受けていて、iPhoneを操り、Macbookでタイピングをして、スティーブ・ジョブズが好んでいたというブランドのメガネをかけている。気づけば林檎畑で素敵な暮らしを満喫していたのだ。