砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ロンドン降臨記3

私が前々から行きたかった聖地はここだ。

 

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僕にイギリスへのあこがれを強烈に与えた作品『トレインスポッティング』のエンディングで、レントンユアン・マクレガー)が、ヘロインで儲けた大金が詰まったバッグを持ってトンズラするシーンがある。このときに、レントンが小さなトンネルをくぐるカットがある。このトンネルがロンドン市内にあるのだ。便利な時代なもので、位置はすぐに特定できた。そして、ついに...

 

 

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できればボストンバッグを持っていれば尚良しだったけど、感慨深い。見落としてしまいそうな路地を高校生のぼくはDVDを通じて憧れていたのだ。レントンはこのトンネルをくぐって、沼のような暮らしから脱出したのだ。フィクションだけど、レントンのドラマを思い出して胸が熱くなった。アナザースカイに出る千載一遇の好機があればもう一回訪れてやる。

 

日も暮れて(といっても20時とはいえない明るさにビックリだ)、お腹も減ったので、カレーを食べに行く。カレー好きの私だからこそ、カレー粉が生まれた国のイギリスで、移民文化が馴染んでいるロンドンで食べたかった。ロンドンで有名なインドカレーレストランのひとつである「Punjab」へ。 

 

日本のインドカレー屋さんは、カフェっぽかったり、居抜きをうまく活用した内装だったりするけど、Punjabはいかにもレストランというような高級感あふれる雰囲気で、こんな若輩者が入っていいのか、とビビる。メニューの中からマトンビリヤニとバターチキンカレーをいただく。仏壇の鉢のような入れ物にパンパンに詰まったビリヤニが美味い。マトンも噛めば噛むほど旨味が出る。今までのビリヤニランキングを更新して1位になりました。バターチキンカレーもハイクオリティ。ありがとうPunjab。

 

 
 
 
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お会計直前で、トイレに行ったんだけど、入り口に20歳ぐらいの若者が1人。どうやら連れがトイレをしているのを待っているようだ。私が用を足そうとしていると、個室の奥からずっと「Fxxk!Fxxk!」と連呼する声が。どうやら酔っ払っているようだ。ロンドン旅行で初めての「Fxxk」に遭遇してしまい、精神が揺らぐ。はやくこの若者が個室を出る前に立ち去りたいけど、なかなか出るものも出ない。呼吸を整え、なんとかその個室の男と鉢合わせることはなかったけど、もしかしたら私の目と鼻の先で「Fxxk!」と言われたかもしれない。思わぬところに危険がある。

 

そんな恐怖心も、満腹中枢のおかげで消えてしまい、眠い目をこすりながら宿に戻る。なんだ、ロンドンの料理おいしいじゃん。