砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ヨンスがタトゥーに手を出した

「踊ってる方が可愛いよ」は今年の流行語大賞にノミネートされるべき名言だと思う。

 

そういえば、Twitterを見ていて知ったのだが、ヨンスがタトゥーに手を出したそうだ。

ヨンスがタトゥーに手を出したことは、それは、彼の感性や考えに基づいた行ったものであるのだし、納得行くことである。しかし、ヨンスがタトゥーに手を出したことに納得行かないのだ。

なんか、納得行かないのだ。ヨンスがタトゥーに手を出したことに。

 

“ヨンス”が“タトゥーに手を出した”ことにどうもムズムズを覚えるのだ。

 

ヨンスという言葉の響きとタトゥーという言葉の響きがミスマッチなのである。これは、私の感性が過敏であるという結論で片付けてもらっても構わないが、なんか気になる。“ヨンスがタトゥーを入れた”と言いたくないが、“ヨンスがタトゥーを入れていない”とも言いたくない。

 

“ヨンスが入れ墨に手を出した”なら、その音の響きから感じるムズムズはやや解消されるけども、そうすると、今度は“入れ墨”の持つ言葉の力が強すぎる。ヨンスの背中が、天女の入れ墨で満ちたらそれはヨンスではない。河西だ。

(そういう観点から考えると立派に入れ墨が入っているなあと思わせる清竜人はすごい)

 

となると、タトゥーの類義語界隈で一番“ヨンス”と親和性が高い言葉は“ヘナ”だろう。タトゥー、入れ墨と比べるとヨンス感が際立つ。が、ヨンスがヘナ入れるところは見たくない。たかだか2,3週間で消えるとされるヘナを入れるなんてそんなんFIRST CHOICE LAST STANCEじゃねえ。ただのトライアルだ。

 

ヨンスに似合う言葉を考えながらも、最近の彼の痩せっぷりに少し心配になる、そんな夏のヨタ話。

 

 

トランセルに股関節はあるのかい

運動不足の影響なのか、肩こりと腰痛が持続的に続いている。パソコンをいじろうと机に向かうと、四点(両肩と両腰、厳密に言えば股関節の一部らしい)が、真四角に痛みだす。キーボードをカタカタしては、凝り固まった肩甲骨をひん伸ばす。もうすこしカタカタしては、立ち上がって腰のあたりをぐるぐるまわす。まるでラジオ体操の途中にPC操作を入れるかなり前衛的なスタイルになっている。しかし、これはこれで極めたら楽しそうだ。新体操だってリボンやボールを使うではないか!道具がハイテクになっただけだ。

 

私はこの新しきラジオ体操の先駆者として世界大会に出場する。電源をつけ、起動する間に簡単なストレッチを済ませて、演技の開始だ。Wordを開いて、文書の作成だ。滑らかに指を動かしては、時折立ち上がり、ポーズを決める。Enterキーを強く叩いた弾みで大の字に飛び上がる。デスクワークからのシームレスな動きに思わず拍手を送る観客。最後は完成した文書を審査員にメールで添付する。もちろん文書の正確性も評価対象だ。「ご確認ください」の文面を打ちながら、深呼吸。デスクワークとラジオ体操を同時に終える難易度の高い技を遂行しフィニッシュ。投げ込まれるプーさん。ごめんよ、ここはアイスリンクじゃねえんだ。

  

そんなことを妄想しながら、痛みをなんとかごまかしている。痛みを感じることは生きている証拠なのだ。と、うつ伏せになりながらノートPCでこのブログを作成している。やることのない股関節はしっかりストレッチしている。無駄のないうつ伏せで、股関節を延ばし延ばしいきている。いきているんだ。股関節は友だちなんだ。でも、トランセルにはきっと股関節は無い。

 

 

リッチー・グレー(『キング・アーサー』観たマン)

キング・アーサー』を観た。

 

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私の大好きな監督のひとり、ガイ・リッチー監督の最新作。ガイ・リッチー監督は、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を観た衝撃から本当に虜である。『スナッチ』の伏線も最高だった。マドンナの元旦那とかどうでもいいから、みんなちゃんと声に出して言おう。せーの『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』!!噛んだらもう1回。

 

今回のリッチーは、あのアーサー王伝説をモチーフに映画を作ったのです。主人公のアーサーは実は昔の王の息子。スラム街で、やんちゃにたくましく育つ。ときの王様は、アーサーの叔父であり、とてつもない暴君のヴォーディガン。そのヴォーディガンを倒すためにアーサーの旅が始まる、といったあらすじ。

 

まず、アーサーの生い立ちの場面が流れるのだが、赤ん坊から筋骨隆々のアーサーになるまで、ノンストップで早回ししているかのような映像表現に思わず歓声をあげたくなる。ただ、体の成長を追っているのではなく、そのスラム街でのやんちゃっぷり。成功と失敗、努力の場面もしっかり描かれている。たった数分で、主人公の背景や性格を観客にわからせるリッチーさんすげえよ。

 

戦闘シーンも、もんのすごい。ものすごいでなく、もんのすごい。エクスカリバーを使った圧倒的戦闘力。剣術の他にも、メイジという動物を操る魔術師が出てくるのだけどもその演出ももんのすごい。こういう中世のファンタジーってゾクゾクするね。

 

そう、すべてがリッチーの創るかっこいい世界にまみれているのだ。スラム街や、暴君に支配された城での薄汚れた雰囲気は、どこか『シャーロック・ホームズ』でも見た気がする。薄汚れた街の空気感。霧の街ロンドンだなあと、ぼくの脳内が反射して喋っている。(私は一回もロンドンに行ったことはないけど)もうこれは彼にしか出来ない、曇の描写ではなかろうか。今日からこれをリッチー・グレーと呼ぶことにする。リッチー・グレーな曇り空であれば、太陽が出ていなくても全然幸せなのに。