砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

二階堂

あなたは一度でも、二階堂ふみの白目になりたいと思ったことはありますか?私は白目になりたいと思いつづけて三年目になりました。英語の時制なら現在完了形です。そんな二階堂ふみに関する短歌でとんでもない作品が生まれたのです。

 

二階堂ふみと四階堂ふみふみと六階堂ふみふみふみ/木下龍也

 

ずるい。この短歌ずるいよ、木下さん。二階堂ふみという固有名詞の絶妙な遊び方。こんなん絶対二階堂ふみの白目に届くじゃん。白目側になって、視細胞になって受信したいじゃん。そして、この二階堂ふみ短歌におけるマスターピースが早々に生まれたことによって、この世に2つと二階堂ふみを用いた傑作短歌が生まれないことが確定した。

 

ならば、私は何をしよう。そうだ、雰囲気をパクってしまえ。

 

葵つかさと赤井つかさとライト・ゴールデンロッド・イエローつかさ/タカノリ・タカノ

 

ああクオリティの差。アイデアの乏しさ。まず、葵つかさの白目にはなることは出来ないだろう。二匹目のどじょう、もとい、二匹目の二階堂を狙ったところで、あっという間に四階堂になるはずがない。二階堂はそうそう二倍堂にならないのだ。


っていうか二階堂が、「ふみ」で、四階堂が「ふみふみ」ならば、「ふみふみふみ」が八階堂である可能性も否定はできない。X階堂Yは、累乗である。その辺の式の出し方は数学ができる人、お願いします。X階堂Yってかっこいいね。


…ということを考えている間に本当の二階堂ふみは、菅田将暉と古着を買っているんだ。二階堂ふみ菅田将暉にしか着ることの出来ない古着。菅田将暉が着てそうな古着を着てイキっている若者をあちらこちらで見る。お前らのための古着じゃない。2人のために古着はあるの。そんなもんだよね。似合わない俺らはグラブってようぜ。

 

ああ、菅田将暉のことが好きで、ちゃんと「菅田将暉」と漢字で書けるすべての女性に祝福を。

 

しゃぶちゃかちゃかぶーん(『日本で一番悪い奴ら』観たマン)

『日本で一番悪い奴ら』を観た。 


映画『日本で一番悪い奴ら』予告編

 

 『凶悪』で人間の「悪っぷり」を描き、私をヒリヒリさせた白石和彌監督の作品。クライムムービーなのに笑える、そして哀しい。『フィルス』的な感情の揺さぶられ方をされてしまった。ああまたいい映画を見てしまった。今週のお題はこいつらだ。

 

主人公は綾野剛演じる諸星は柔道の有力選手。その力を買われて北海道警察に入ることになる。柔道指導は世界のTK高阪剛!もうこれだけで私はお腹半分満たされた感じであった。さらに菊野に武田幸三も出てくるなんて。それだけでありがとうと言いたい。

 

諸星は、刑事になり、“ダーク”なやり口でエースへ上り詰めていく。そのサクセスストーリーの気持ちよさと代償がこの映画の面白さだろう。それにしても、どうしても頭から抜けないのがひたすら繰り返される「チャカ」と「シャブ」というセリフである。もう「チャカ」が何丁、「シャブ」が何キロ、チャカチャカシャブシャブぶんしゃかしゃかぶーん!なんだか頭がトランス状態になってきた。隠語の過剰摂取。幸いなことに、観た後、しばらく経つが禁断症状は出てないようなので安心した。

 

『日本で一番悪い奴ら』のエッセンスを取り出すとすれば「正義」と「人間」ではないだろうか。『凶悪』でも山田孝之が“執念と化した正義”に動かされた記者を演じていたが、『日悪』でも「正義」が狂ってゆく過程がえげつない。点数のために、評価のために、サクサク違法捜査している道警の暴走。「正義」が「社会正義」の道から外れた瞬間に始まる不協和音を目の当たりにして、「正義」という言葉の難しさを感じる。

 

そして、その不法捜査の空気が漂う道警刑事の人間のだらしなさがおかしくて愛おしい。悪側とつるんで、成果をあげ、夜は女で遊ぶ。殺菌化された現代社会ではありえないドラマである。(ただ、これが実話ベースであったということが信じられない。)そして、悪い奴らの中でも芽生える兄弟関係。僕の中で相田みつをの妖精がぐるぐる回り出す。「にんげんだもの」って深い言葉!みつをってすげえや。

 

忘れっぽい

8月1日になれば、タイトルを変えようと7月に思っていたのに、タイトルを考えることすらも忘れていた。最近何かと忘れっぽい。あれをしようと思えばこれが出る。昔のポケモンみたいに持っていけるどうぐが限られているようだ。所詮ゲームボーイ世代だ。

 

ということで、ブログのタイトルを変えました。意味を考えて単語同士をつなげてかっこ良くしても忘れてしまう気がするので、とにかく響きで決めました。タイトルに全く意味は無い「砂ビルジャックレコード」をよろしくお願いします。