砂ビルジャックレコード

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久しぶりだねステイサム(『キャッシュトラック』観たマン)

『キャッシュトラック』を観た。

 


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ガイ・リッチー監督にハマったきっかけは、まだ心の首がすわっていないときに見た『スナッチ』だった。アウトローな男たちの危険な香り、誰がダイヤを手に入れるかわからない脚本に魅入られ、その後に見た『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で完全に虜になった。その2作でタッグを組んだガイ・リッチージェイソン・ステイサムが十何年ぶりに再び出会うのだ。そりゃ見るしかないっしょ!『リボルバー』?知らん。

 

タイトルの『キャッシュトラック』とは現金輸送車のこと。今回のジェイソン・ステイサムの役は謎の男だ。ロサンゼルスにある現金輸送会社に、「H」という男(ジェイソン・ステイサム)が採用される。Hは、入社研修を受け、実際に現金輸送業務を開始するが、Hの乗っているトラックが、襲撃に遭ってしまう。しかし、Hは卓越した戦闘センスでその襲撃犯を追い払ってしまう。素性のわからないHの過去とは何か?そこには、ある過去が関係していることが明らかになる。ガイ・リッチージェイソン・ステイサムに大量の現金。それが揃えば、起こることは想像に難くない。この現金を巡る戦いが画面上で繰り広げられる。

 

Hのミステリアスな描写がたまらない。どうして我々は、過去はわからんけど度肝抜かれるぐらい強いキャラクターに惹かれるのだろう。決して感情は表に出さずに、絶対なにか秘密があるよ、、、と思いながら話は進んでいき、やがて秘密が明らかになる。その秘密の部分がガイ・リッチーらしい見せ方なのがたまらない。Hの過去が明らかになったあとでの、ある引きのショットで震えてしまった。感情のわからないキャラクターだけども、原題は"Wrath of Man" この男は怒っている。

 

ガイ・リッチー脚本の心理的な騙し合いだけでなく、ジェイソン・ステイサムの肉体を存分に発揮したバイオレンスなアクションシーンがたっぷり見られるのが魅力だ。銃弾が飛び交う中でのクライマックスは手に汗握る。ガイ・リッチーにしては変化球な展開だが、こういうド正面のクライムアクション映画を映画館で見れる喜びよ。やっぱり最高なんだけども、つくづく、ガイ・リッチージェイソン・ステイサムがかけ合わさった世界の住人にはなりたくないなと感じた。日本でよかった。