砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

一生鼓膜がひなまつり

耳の日だからという理由ではない。3月3日が近づくとあの曲が脳内をかけめぐる。小さい頃にモー娘。全盛期だったため、ミニモニ。の『ミニモニ。ひなまつり』が勝手に流れ出す。あと、何回3月3日を生きるかわからないが、天珠を全うするならば少なくともあと70回は『ミニモニ。ひなまつり』はオートでかかり出す。

 

久しぶりに正解を聞きたくなって、YouTubeで本物を探す。頭の中で「ミニモニ!ひなまちゅり!」というリフレインが止まらなかったので、「ひなまちゅり」が題名だと思って検索してたんだけど、「ひなまつり」が正しいタイトルだということを知る。記憶の歪みは恐ろしい。

 

再生ボタンを押す。そうそう、細かくステップしながら移動するの真似してたなあ。この動きがなんだかツボだった。十二単の衣装だからあのステップが可愛く見えるのであって、その頃のシャカパン少年にはその魔力は発揮されなかったのである。

 

子供の頃にミニモニ。を見ていたから、見た目の年齢感覚が未熟だったというのもあるけど、あのころの辻ちゃん加護ちゃんってほんとうに子供だったんだなあと気づく。コメント欄を見ると「ミカだけ衣装が違うのかわいそすぎる!」という物心付く前からなんとなく感じていたミニモニ。あるあるの不満を消化させた書き込みに共感したけど、別の『ミニモニ。ひなまつり』の動画を見たら、全く同じ人物がミカの衣装だけ違うことに不満を漏らしていたので、急に冷めて戻るボタンを押した。

 

他のミニモニ。の動画を観たくなり、関連動画に上がっていた『ミニモニ。テレフォン!リンリンリン』を再生する。「パカパカ電話パッカ」という歌詞にノスタルジーを覚える。電話の歴史を考えてみれば折り畳める時代って特殊だったんだよなと気づく。そのあとに、「写真を撮りましょう カシャカシャカシャ」があるんだけど、MVでは携帯ではなく、フィルムカメラを使っていたことに、驚く。そうかこのときは、ガラケーであるが、カメラ付き携帯はそんなに普及していなかったのか。写メールやらJ-PHONEやら記憶の中でしか使うはずでない言葉を口にしてみる。

 

いまや、携帯からはボタンが消え、カメラから動画撮影から、作曲から何でもできるようになった。文明の進歩は恐ろしい。今度は一体どんな革新がもたらされるのだろうか。一方、いまだにお好み焼きどんぶりは発明されていない。