今年もTANKASONICという大規模な短歌のフェスがありまして、参加させていただきました。好きなアーティストを1組選び、愛を込めた5首を発表する企画。私は、フィメールラップデュオのchelmicoをテーマに短歌を作成しました。私のchelmicoのハマりっぷりはこのあたりを参照。
そして、発表した短歌はこちらです。タイトルは「chelmiconori」です。
帰り道 右旋回し薄暗いフロアの隅から本編開始
小刻みに背とハイライト揺れている ラジオの光の下でLate Night
ランダムで惑星ゼーベス バニラバーほおばりながらマジギレしてる
ねえパーシー世界を回してこの揺れでどこでも行ける今日はハワイへ
終電で読む星占い当たってて涸びた瞳の奥からドゥザナイ
ラッパーということを考えて、二句目と五句目で必ず韻を踏むという条件を自分に課して、作りました。1首目は比較的わかりやすくて、「みぎせんかいし」と「ほんぺんかいし」で刻んでいます。
2首目、3首目はそれぞれMC mamikoとMC Rachelを意識して作り上げました。踏んでる韻もmamikoなら「あ・い・お」、Rachelなら「え・い・え・う」で縛っています。本人の名前を出さずに、韻で立ち上がらせる。これが今回の連作の中でやりたかったことだったりします。ゲーム好きのレイチェルということをイメージしてたどり着いた「惑星ゼーベス」(スマブラのステージ。酸がせりあがるギミックですごいストレス溜まる)が一番のお気に入りワードです。
4首目、5首目は入れたい言葉を軸にchelmico全体の世界観を補足することを目的に作ってみました。「ドゥザナイ」という言葉は『ラビリンス'97』という歌に出てくるのですが、未だに正しい使い方がわかりません。この用法であってるんでしょうか。
さいごに、今日はchelmicoの新アルバム「Fishing」のリリース日ということで、早速聴き倒しております。ああ、このアルバムをもとにした短歌も作りてえ。Takanori Takanoでした。