砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

適老期

わたしは、実年齢に比べて比較的、若く見られる(と思っている)。例えば、ワイシャツを来ていたときに、学割制度があるお店に行ったとき、店員から「学生証はお持ちですか?」と聞かれたことがあるぐらいだ。そのときの私は、質問に虚をつかれて「いえ、持っていないです」と最大限の低音ボイスで返答した。この対応も実年齢に比べて若い(というより幼い)。

 

しかし、人間として生きている以上、時間の流れにまともに乗っている以上、この若さもだんだん薄れてくる。恐ろしいのが、老いのスピードが人それぞれであるということだ。もちろん仕事や家庭の環境などの原因はあるのだろうが、それでも同い年でそんなに違いが生まれるのかと、なんだか切ない気分になる。

 

その個人差が原因で悩みが生まれてしまった。適切な老け方がわからないのだ。今までは若さを維持してやるという、美魔女的な考え一本槍だったのだが、若いままでいることがいいことなのかと疑うようになってしまった。奇跡の50歳などと呼ばれることに夢を見なくなった。そもそも毎日生きているだけで幸せじゃん。

 

きっと怖いのは、突然、一気に老けることだ。若さをキープしているかと思いきや、ガタンと踏み外して一気に年相応(もしくは勢いがついてそれ以上)。周りの人達も突然の変貌ぶりに戸惑いを隠せないだろう。あの人はどうしちゃったのか、「魔法が解けちゃったんだじゃないの?」「いやいや、悪い薬よ」なんて噂話が耳に入ってしまってますます老け込んでしまう。他人の評価に敏感なわたしにとっては大ダメージである。必死にカツラとかシミ隠しとかしてしまえば、ますます噂が立ってしまう。地獄の更年期を迎えてしまう。ああ、海外の川のようにゆるやかに老けたい。