砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

魔法的にかけられて

 

6月11日、Zepp DiverCity Tokyoに小沢健二ツアー「 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ 」を観に行ってきた。オザケンを生で見るのは初めてだ。どちゃくそにゆとり世代の私が触れてきた音楽の中には、小沢健二が耕した土壌の上に建ったものが多かった。「強い気持ち・強い愛」、「今夜はブギー・バック」などはカバーなどで存在を知ったし、自分の興味のままに掘っていったら小沢健二に必然的にぶつかった、という感覚が強い。

 

その小沢健二を、生・小沢健二の名曲たちをこの脳みそに味わわせたいという半ば人生経験的な目的でチケットを買ったのだが、まさかの新曲7曲!!いやはや現在進行形のオザケンを楽しまさせていただきました。新曲に関しては、舞台の背後にその歌詞が投影される。曲にもよるのだが、まず、詞がひととおり映しだされた後に演奏される。この無音の中で詞を噛みしめる瞬間がものすごく幸せであった。新曲の歌詞はどこか海外文学的な(無理やり邦訳されたような)香りを醸し出す。その香りが消えぬうちに、初めての刺激が耳に響く。ああ小沢健二に会えてよかった。そして、当初の目的であったノスタルジーも満喫。早く自分に孫が出たら、この目で観たということを、みんなでシングアロングしたことを伝えたい。

  

物販では、「魔法的モノローグ台本」という書籍が売られていた。もう新曲の詞でくらくらになっている私は終演後に購入。今日まで、ちょこちょこ読み進めていた。広告に関する教育読本(?)な内容も面白かったが、小沢健二のエッセイ3編がとても興味深かった。彼の感じる英語・日本語の感覚は、言葉が好きな私にとってはドンピシャな刺激であった。ワダァ!「仕事」に関するパートでは、新たな目線を知ることが出来たし、ロングジョン(この言葉自体初めて知った!)に対する小沢健二の異常なこだわりにニヤニヤしてしまった。