砂ビルジャックレコード

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アイドル顕とバールのような久美子(『俳優 亀岡拓次』観たマン)

『俳優 亀岡拓次』を観た。

 


映画『俳優 亀岡拓次』予告篇

 

あの牛乳をおもいっきり吐いていた人が映画の主演をやるというニュースを知ったときにニヤニヤしてしまった。しかもonちゃんでなく生身で。きっと私以外のあなたもこれだけで大分腹が膨れてしまったろう。

 

酔いどれの俳優、亀岡拓次を演じるは天気でいえばずっと曇りのような男。ただたまに、とても気持ちいい陽の光を浴びせてくれるのだ。そんな繊細な俳優は、安田顕が演じるからこそ成立しているみたいな部分もある。と、思ったら亀岡拓次としてではなく安田顕として見ている自分もいる。これはヤスケンによるアイドルムービーなのだ。しかしながら、いわゆる北海道的な文脈を全く持ち込んでないのがいい。ただひたすらに安田顕を楽しむことができる。

 

安田顕もとい亀岡拓次が、いろいろな端役を演じるが、それが探検のようで、とても楽しい。その世界に合わせながら、亀岡としての最大限の魅力を開放していくさまが気持ちいい。全然世界は違うんだけども『キス我慢選手権』と少し通じる部分はあると思うんだよね。“演人力”というか。それが亀岡拓次のすごさなのではないだろうか。

 

あと、すごい当たり前のことを言わせてもらうと。麻生久美子ってずるい。なんだよ、あんな地方の小料理屋の女将さんでいたら、あっという間に恋してしまうし、地方までの定期券を6ヶ月で購入してしまうよ。ふと心に隙が開いた瞬間に、的確にその魅力で心をこじ開けてしまう。麻生久美子とはバールのようなものだ。

 

その麻生久美子の小料理屋の名物で寒天が出てくるんだけども、寒天という何色にでもなる無味な食材にこの『俳優 亀岡拓次』の文脈を感じる。何色でもないけど、何色でも染まる。そんな名脇役としてのメタファーとして存在してるんじゃないかな。でも、麻生久美子に何出されても美味い。神聖かまってちゃん好きなだけ聞いておくれ。