砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

俺のカスタムメイド11.28

奥田民生『ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム』を観に行ってきた。なんかもろもろの流れはナタリーの記事でぶち細かく上がっているので以下から。

natalie.mu

 

2004年に広島市民球場で開催された「ひとり股旅」、あの頃の自分は奥田民生という人間の魅力を知りはじめたぐらいのときで、ガキんちょだったし、現地へ赴く行動力も財力も全く無かった。その「ひとり股旅」のDVDや、ライブが劇中に出てくる『カスタムメイド10.30』を見てて、いつか広島で奥田民生を聞いてやろうと心に誓った。野球観戦でも広島市民球場も結局行けなかったし、(ちょうど解体中のところは見たことがあるが)あのDVDの映っていた空間を味わった人がすごい羨ましかった。

 

マツダスタジアムで「ひとり股旅」をやるというニュースは突然だった。イベントの開催が発表されたとき、思わず聞きたいんじゃ!聞きたいんじゃ!聞きたいんじゃ!と広島への遠征を決意。当日の朝はウォークマンでは民生シャッフル+『カスタムメイド10.30』のサントラをかけつつ、好天ではっきりと見える富士山に心動かされながら新幹線に揺られ揺られてやってきましたマツダスタジアム

 

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やってきましたよふふふふふ

 

いわゆる「ぶちあがってる」状態。11月28日の広島は、体を動かさなければ寒い気温で、私の席は日陰側だった。混雑するコンコースの中から「ホットワイン」の文字を見つけて、すぐに買う。ホットワインを飲みながら待っているとやってきた僕らのエース082。洋々とマウンドのステージにあがって、歌い始める。序盤でいきなり『イージュー★ライダー』からのユニコーンの楽曲。自分の大好きな『雪が降る町』をホットワインを嗜みながら聞く。うん、体を冷やす空気も悪くない。

 

休憩を挟んだのち、SMAオールスターが歌う『それ行けカープ』に興奮する。5次元カスタムズのボーカルだったマナモはカープ女子となったズムスタに帰ってきたのだ!そして中盤で始球式。私は味をしめて2度目のホットワインを飲もうと列に並んでいたのだが、その時球場がどわーっと湧いたのだ。列を抜けてグラウンドを見るとそこには背番号18。マエケンマエケンだ!!!それで大瀬良もいるよ!オフシーズンなのに、エース2人のユニフォーム姿を見れるなんて。マエケンはもしかしたら最後のカープのユニフォームかもしれないというのに。すごい贅沢。

 

後半はカバー曲が中心に。民生のカバーはびっくり箱である。2004の時は冬ソナのアレ(しかも原語で!)をやったので、何が飛び出すのかわからない。とはいえ西野カナは想像できなかった。この人が歌うと女の子目線の歌詞も不思議とこの人の言葉に聞こえるのだ。「ねぇダーリン」をあんなにシブかわいく50歳のおじさんが世界にいるのだろうか。

 

続く「結婚しようよ」「アイ・ラヴ・ユー、OK」という広島コンボもよかったなあ。球場らしく、弾いた演目が打順のように並ぶのだが、このカバー曲ゾーンの

 

西野カナ

吉田拓郎

6 E.YAZAWA

 

という並びがすごかった。なんて重厚な打線。

 

4 中村

5 筒香

6 中田

 

とくらべても、ぜんぜん違う。あんな打線、常に5回コールドだわ。

 

カバー曲ゾーンのおしまいで 民生がふと「世界の終わりを」とポツリ。ひとりで弾くなら「スターライトパレード」とかそのへんだろうと考えていた私が甘かった。西野カナやられたら、あいつらを想像してしまうって。激しくかき鳴らされるアコースティックギター。こんなん、あの面白RPGパーティーの曲にあったっけ?とポカンとした私なんか気にせずに、けたたましく歌う民生。なにこれ、むちゃくちゃかっこいい。初期衝動がすごい。電光掲示板には「ミッシェル」の文字。ホテルに戻って早速「世界の終わり ミッシェル」と検索。一番上に出てきたのはミッシェル・ガン・エレファントの「世界の終わり」という曲だった。

 

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元曲もかっこいい!これ、これがロックンロールだよ!と言いたくなる曲。今まで知らなくて本当すいませんでしたと謝りたくなる。ああまた私の好きな曲が増えた。ありがとう民生。あなたはやっぱり私の音楽の父だ。

 

民生にひたひたにされた私はライブ終了後、晩ごはんを食べながら、耳に入り込む他の客の会話の広島弁に癒やされていた。広島弁のイントネーションが心地よすぎてご飯を食べ終えたのになかなか店から抜け出せなかった。「〜とる」「〜け」を不自由なく使う彼らに憧れの眼差し。もういっそ、鼓膜にちっさい広島人住んでくれないだろうか。ああ広島って素敵な世界だなあ。