以前、うずらのたまごを転がす喜びについて書いた。
この話を書いた後も順調にうずらライフに浸っていた。もののかたちとなった幸せであるうずらをひたすら口の中で転がす喜び。ただ、この喜びも長くは続かなかった。そう、あの瞬間に気づくまでは。
友達と中華に行った時のことだ。あんかけ焼きそばか何かを頼んだ友達と談笑しながらごはんを食べる。盛り上がってる中、ふと机に目をやると友達の頼んだ残り少ない料理皿にポツンと輝くうずらを見つけてしまったのだ。
こ、こいつ最後にうずらを口の中に転がそうとしている!!
そんなこと、常人では気づかないであろう。ただ、私は彼がこのあと何をするかがすぐわかってしまった。それは、もちろん私も最後にうずらを口の中に転がすからか。私と同じように最後にうずらを口の中に転がす奴がいたのか。しかもこんな近くに。そういえば最後にうずらを口の中に転がす奴同士は互いに引き合うって4部の間田が言ってた。これも運命。うずらによって弄ばれたぼくらふたりの運命なんだろうか。
と、考えている間に生まれる別の視点。今まで自分も無意識のうちに人前でうずらをわざと残している。ということは過去のどこかに誰かにうずらキープの場面を見られてしまっているということだ。。。ああ恥ずかしい!恥ずかしい!
「こいつ、このあと転がすんだろうなあ。ああ転がすんだろうなあ。あ、水飲んだ。転がす前に口の中を清めてるんだなあ」とか思って見られてるんだああ恥ずかしい!恥ずかしい!殻があったら入りたい。
しかし、転がし欲を禁ずることなどたやすくない。そうだ今度からは、そこそこうずらを転がそう。中華丼にうずらが2個ある場合は、あえて1個は半分だけ食べてオレは転がさないぞアピールをして友達に油断させといてラス1をしたたかに転がす。これで決まりだ。
確実に複数個あるうずらの卵フライでは高度なテクが要求されるだろう。1個目転がす。2個目転がすと同時に1個目噛む。2個目口の中で転がしつつの3個目噛む。口の中でジャグリングだ。目の前に空き缶置いたら12ウォンぐらいもらえるんじゃないだろうか。
最先端の転がしスキルを身につけつつ、私のうずらライフは続く。