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『ホーンズ』観たマン

『ホーンズ 容疑者と告白の角』を観た。

 

↓この映画は、ほんとうは、予告編あんまり見ないほうがいいんだけどね


映画『ホーンズ 容疑者と告白の角』予告編 - YouTube

 

いつからだろうか、ダニエル・ラドクリフにこんなに胸毛が生えたのは。

ハリー・ポッターと賢者の石』のあの丸メガネお坊ちゃんのイメージがこびりついてる自分としては、劇中でしょっちゅう映る胸毛は衝撃的だったし、時間と男性ホルモンが紡ぎだすドラマを感じた。

 

タイトルにもなっている通り、この映画の重要アイテムのひとつは「角」である。不思議な「角」の目の前だと人は心に秘めたことを話してしまう。恋人殺害の罪をなすりつけられた主人公は、突如彼に生えた不思議な「角」を使って事件の真相を探す。この「角」以外にも、十字架や牧師など、約2時間に蔓延るキリスト教的な背景が醸し出す妖しさに引き込まれていく。

 

だが、妖しさもあるが、怪しさもある。『ホーンズ』には、聖書的な雰囲気以外にもどこか、どこかB級の匂いがプンプンとするのだ。(監督が『ピラニア3D』を作っているというのが一番考えられる原因だが)「角」の前で心に秘めた欲望の内容が、それかよ!と(いや、その欲望はわかる、わかるけど)心のなかでツッコんでしまった。特におっさん全般。

 

この「角」が自分に生えたらどうなってしまうんだろうかと想像する。建前でも傷つく場合がある自分が、本音しかない言葉を受け止めきれることはできるのだろうか。かわいいなと好感を持っていたふわふわ系女子が実は性欲の塊であったということが、明らかになるのだ。そんなことを知ってしまったら自分はクローゼットの奥に隠れてしまうかもしれない。その前に慌てて隠れようとしてクローゼットの扉に角をぶつけるとのセットで。

「角」が生えたら、なるべく人と話すのは控えようと思う。「角」のファッションとしての使い道の活路を見出そうとすることに決めた。