『忘れないと誓ったぼくがいた』を観た。
映画『忘れないと誓ったぼくがいた』予告編 - YouTube
予告編でも出てたが織部あずさ(早見あかり)が何度と繰り返す「忘れない?」というセリフがこの物語の重要なポイントである。あずさが、この「忘れない?」を執拗なまでに繰り返す理由に気づいた時、すごく胸が締め付けられた。
この映画全体を包む切なさも魅力的だが、とにかくあかりんがかわいくてかわいくて大変だ。iPhoneの向こう側にいるあかりんの表情がいちいちかわいくて、途中からこの動画は自分が撮っているんだ!と自分と村上虹郎くんとを誠に勝手ながらシンクロナイズさせてニヤニヤしていた。特に自己紹介をするあかりんがすばらしい。私は彼女の八重歯になりたい。
『忘れないと誓ったぼくがいた』の途中で、忘れまいと織部あずさに関することを記録する葉山タカシを見て思い出したのは、『メメント』だったりする。調べたらメメントは2,000年公開。そっか、20世紀の作品だったのか。スマホのない時代の作品だけどそんな昔だったとは。今だったら(この映画と『メメント』ではある対象に対する記憶の喪失理由が違うけど)記憶を残すために、メモ機能を広げて、Evernoteにメモしてと、記憶をクラウド化してしまうことができるから「忘れない」ためにタトゥーを彫るなんてしないよな。(15年前でも普通しないけど)それでも、頭のどこかで、彫師の元を訪れる高3受験生という画を期待していた。
忘却というのは、生き物の特権だと思うけども、やはり寂しいものである。私自身は妙に他人から忘れられやすい星の生まれで、この織部あずさに少しだけだが共感してしまった。同じ箇所の傷を何度も擦り剥かれる感じ。例えば、自分が注文したものが忘れ去られ、一向に出てこないことなんかしょっちゅうである。友達とファミレスに行った時、明らかに時間の掛かる類の友達の料理が先に届いたら、それはもう忘れ去られているのだ。何度も忘れ去られている経験をした者は、こういう環境の移り変わりで状況を察するのが非常に得意なのだ。
今度から飲食店で注文するとき、店員さんに注文する前にこう言おうと思う。
「忘れない?」