砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

『幕が上がる』観たマン

『幕が上がる』を観た。

 


ももいろクローバーZの青春映画!『幕が上がる』予告編 - YouTube

 

軽度のももクロ患者として、予備知識については図らずもばっちりな中での鑑賞。

この映画、非常に小ネタ・カメオが多い。そしてももクロ好きというのは、こういうのに弱いはずだ。

しょっぱなのシーンで出てくる台本に書かれている「ウインター・タイムマシン・ブルース」の文字にいきなりニヤッとされる。(これは本広克行監督作品に関連するネタだが)

 

ももクロを知らない人でも、もちろん楽しめる作りにはなっているが、ももクロ側の人間として(私含む)はもっと暗号的な、隠れミッキー的な要素を入れても面白かったんじゃなかろうか。例えば、彼女らの「色」も心情を仄めかすようなアイテムとなっている場面があったように、もっともっと掘り下げたくなるものがあってもいいんじゃなかったのかな。「え、あれそうだったっけ?」とお互いの「強度」を測り合うのも楽しいはず。

 

と、評論家ぶってるけど最後の最後の「あれ」で、完全に持って行かれてしまった。「幕が上がる」という大事とともに、あれはずるいよねええってひとりでうんうんウルウルしてしまった。思わずケチャしそうになってしまった。エンディングもしっかり堪能。

  

自分がこの映画を見て気になったのが、女子校かと思うほどの高校生活の描写なのである。ももたまいのあのシーン(実写版!)もあるし、あーりんとかなこのうひょうひょな場面もあるが、一番気になるのが男っ気が全くないことなのである。もちろん、女子校という設定ではない。強いてあげる男っ気をあげてもムロツヨシ志賀廣太郎天龍源一郎程度で。

一般的に考えれば文化系であっても、ある程度色恋沙汰はあるはずだと思うのだ。つまり、この「幕が上がる」は、青春ファンタジーである。そして、この物語を遂行できるアイドルが現代では、恋愛対象性が薄いももクロちゃんしかいないということである。

 

ただ、この考えも高校を卒業済みで、彼女らを”いとこ”的な立場で見ている自分目線のことであり、この映画から”抹殺”された男子高校生諸君はどのような思いで、見ているのかが気になったりする。