以前、映画館の予告編で観た『ゴーン・ガール』なる映画がどうしても気になったので観た。(少しネタバレってます。)
映画『ゴーン・ガール』日本オリジナル予告編 - YouTube
突然失踪したエイミーを探すダンはメディアを使った捜索を開始するが、
報道内容が徐々に、夫がその事件の犯人ではないかという風潮が出てきて…
果たして、この事件の真相とは。。。?みたいな感じのお話で、
(予告編観たほうがわかりやすいね)
ひりひりするサスペンスミステリーで、どんなどんでん返しが待ち受けているんだろうかという部分を楽しみにして行ったんだけど、なにかそのどんでん返しの先を見せられたというか、え、あ、まだ続くのね?という気持ちになる。
ミステリーものには「スカッとタイム」が存在する。
観客の脳内にいくつもの疑問符をマーキングしたあとで、そっと人差し指でプッシュして、今までの謎をドミノのように綺麗に崩れていく。
観客は、この幾重に絡んだ糸が解けたときに、「スカッと」する。
その爽快感の延長線にあるのが、「ゴーン・ガール」だ。
いわばあの予告編は「1面の予告編」。この映画は2面に突入するのだ。
(実際、ここまででもかなり物語の核心を言ってしまっているような感じなんだけど)
2面は、1面をクリアした人だけのお楽しみということなんじゃないか。
2面をクリアした瞬間に、冒頭の「彼女の頭蓋骨の中身が気になる」という妻への愛の塊のようなセリフが後々効いてくるので、そこを頭の片隅にクリップしながら挑んでほしい。
そんな『ゴーン・ガール』はサスペンスでミステリーで固唾をゴクゴク飲む場面もあるんだけど、どこか憎めない部分が多い。
特に、アホ面ニックのディフェンスのがら空きっぷり。
なぜ、失踪した妻のパネルの横でそこで微笑んでしまうん?なぜそこでSelfieしてしまうん?とメディアに対して隙という隙をあけっぴろげ。ことごとく裏目になるニックに失笑。
そりゃそうなるわ!
そんなアホ面とは、対照的に妻のエイミーが末恐ろしい。自分の立場や状況と環境から、自分に有利な展開(創作)を作り出す頭の回転と正確無比な実行力。
格闘家ならこいつは明らかに柔術使い。ガードポジションで不利な形勢と思いきやそこからいとも容易く三角絞めを極めてくるよう。あれあれれれれのれで、頚動脈をギュッ。
もっとこの才能を別のところに活かせられなかったのだろうか。
それこそ、与えられた状況からの見事な返しが冷蔵庫の余り物で再現できるのならば、AmazingAmyのレシピ本大ヒット間違いなしだったのに。AmazingAmyの簡単AmazingCooking!!
ただ、彼女の想定外の外的要因も起きるわけで、ピンチ発生するけど、チャンスあり。
かと思いきやそのチャンスもピンチで。。。人生の波の激しさ。
解けた謎の糸の上でバランスをとるエイミーにひりひり。でもエイミーはエイミーだった。
この映画を見終わった自分は、何か悟りを開かざるを得ない気分になった。
クリスマスで街が、国が、浮つきついているのを小馬鹿にしながら。