砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

2019俺のハマった楽曲ベスト10について書かせてください

Spotify芸人として生きてきた2019年。鼓膜はだいたいSpotifyradikoに支配されている私が選んだ10曲です。公開が2020年になっちまったけどお納めください。

 

10位:Balloon/chelmico


chelmico「Balloon」

「売れたよねえ」「まだまだ売れるなあ」と、多方面に露出しまくるchelmicoの2人を目の当たりにして、2019年で何度思ったことか。とうとうライブの抽選が外れてしまって行けなくなったことも、chelmicoの人気を感じる要因だった。「FISHING」も自分のスタイルを貫きながらもクオリティの高い1枚だった。1月からはTBSラジオでレギュラー番組もはじまる(よかったねえmamikoさん)。あとはTVKの冠音楽番組やってくれたら最高だな。

 

 

 

 

 

9位:ミルクチョコ/yonawo


yonawo - ミルクチョコ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

いま、最もライブに観に行きたいバンドのひとつ。矜羯羅がるを「こんがらがる」と読むのを教えてくれた知識の恩人。社会人ぽい一日から人間に戻るときに聞きなくなったり、クラブやイベントからの帰り道にブルーアワーの光を浴びながら聞きたい。そういう日常の中の移り目のときに、風邪を引かないように自分のギアをそっと緩めてくれる。そんな効果がyonawoの曲にはある気がするのです。今日もあったかくして寝よ。

 

 

 

 

8位:いいことがしたい/Maharajan

 

Spotifyの恐ろしいところは、突然、自分好みの曲が流れてくるところだ。思わず体が反応して、即座に画面を開き、曲名、アーティスト名、ジャケットを確認する。一度の出会いで終わらせたくない。ハートのボタンを丁寧に押した瞬間は、気になる女の子の連絡先を手に入れたような幸福感だ。なんとなく僕たちの心に留まる「いいことがしたい」という善意なのか、自己顕示なのかわからない欲望を見事に言葉として抽出してくれている。何度も繰り返される「いいことがしたい」というフレーズがキャッチーで、家で口ずさんでしまう。言葉だけじゃなくいつか行動に移して、よく見られますように。

 

 

 

 

 

7位:さらしもの(feat.PUNPEE)/星野源


星野源 – さらしもの (feat. PUNPEE) [Lyric Video]

2019年は、コラボレーションの名作が多く生まれた年だと思う。そのうちの1曲は間違いなくこの源さんとPさんの「さらしもの」である。Pさんの間違いないフローも最高だけど、なんてったってGEN HOSHINO、ヒップホップの土俵でもしっかりと存在感を放つスーパースターですよ。板橋の放蕩息子と埼玉のツァラトゥストラを子守唄にした夜が何度あっただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

6位:彗星/小沢健二


小沢健二『彗星』MV Ozawa Kenji “Like a Comet”

「そして時は2020 全力疾走してきたよね」から始まるこの歌が好きだ。日本では大きな国際体育祭が開催されるけど、聞こえてくるのは、設備の問題、運営の問題、祭りのあとの問題などネガティブな話ばかり。そんな陰鬱な気持ちを振り払ってしまうのが、今日までの時間さえも肯定してくれる小沢健二の包容力だ。世の中が下り坂になっていっても、いつかは僕らが勝つ。そのことをぼくらは何度も経験しているではないか。2020年の先に何があるかわからないけど、勝利がやってくることを信じて生きていく。

 

 

 

 

 

 

 

5位:マクガフィン岡村靖幸さらにライムスター


岡村靖幸さらにライムスター「マクガフィン」

ネットから手に入れる映像や音楽だけでは満足してはいけないと常日頃から思う。11月に岡村ちゃんのライブを観に行った時、2019年最大のサプライズが僕を待ち受けていた。インターミッション明けで告げられたスペシャルゲスト、RHYMESTERの出演である。そら、最近は岡村ちゃん宇多丸さんがよく会ってるなあ、コラボしてくれたらいいよなあとか思っていたけど、それが現実のものになるなんて。事実、Mummy-D岡村ちゃんという二大色気柱の爆発により、ゼップダイバーシティの天井が吹き飛びました。この前はKTCCと「住所」でコラボをしていたし、岡村ちゃんは事実上のFUNKY GRAMMAR UNIT入りでいいんじゃないだろうか。もしも、もしもRIP SLYMEが復活をしたならば、みたいな奇跡のような世界線を想像したくなる。

 

 

 

4位:涙はふかない/カーリングシトーンズ


カーリングシトーンズ 「涙はふかない」MV

色気でいえば、このおっさんアベンジャーズたちも負けてはいない。UNICORNウルフルズ真心ブラザーズジュンスカフライングキッズ、とどめのせっちゃん!!好きなアーティストたちがひとつのユニットになって歌ってくれるだけでもう幸せだよ。お揃いの衣装を身に着けたおじさんたちがもぐもぐしているだけことにしか目が行かないMVもあざとくて素敵。

 

 

 

 

 

 

3位:むげん・(with 諭吉佳作/men)/崎山蒼志


崎山蒼志「むげん・ (with 諭吉佳作/men)」(MV)

 

芸術性でいえば、この曲が2019年ナンバーワンだったんだと思う。一回聞いただけで吸い込まれていく無限の魔力があって、なんだか聞きすぎちゃうと全て奪われちゃいそうで、あえて聞かないようにするみたいな生まれてはじめてのことをした。崎山くんって不安定な歌声がくせになるみたいなイメージだったのも覆された。きっともっと年月を重ねることに「むげん・」は僕たちを大きく飲み込んでいくんだろうな。

 


 

 

 

2位:HOUSE/Lucky Kilimanjaro


Lucky Kilimanjaro「HOUSE」Official Music Video


SpotifyアマゾンプライムNetflixを駆使していれば自動的に私の生活の中心地は家になる。「外に出なよ」と、まともな生活をしている人からの声はよくいただく。こんなインドア体質な私の生活が特異ではないということを、むしろこのライフサイクルを肯定しているような曲が「HOUSE」だ。この曲を、自分の部屋で流して思わずひとりディスコしたのは私だけではないと胸を張って言える。自分が幸せならそれでいいじゃんよ。体を動かしたい時はSpotifyからLK。近所迷惑にならないように踊るのだ。

 

 

 

 

 

 

1位:東京で考え中/ENJOY MUSIC CLUB


ENJOY MUSIC CLUB「東京で考え中」

 

待ち焦がれていたEMCの新譜。「HOUSE」もそうだけど、インドア寄りな生活を肯定してくれているような世界観の楽曲だ。2019年の自分はライフサイクルを肯定されたかったのだろうか。日常にある共感のフレーバーを求めていたのだろうか。ちょっとコンビニまで行く瞬間に聞く「東京で考え中」が好きで、何にも起こらないドラマの主人公になったような幸福感を得ることができるのでおすすめです。

東京での一人暮らしは寂しいときもあるけど、コンテンツにひたすら溺れ続ける人生を過ごしています。20年代になっても、そのつもりです。そういう生活が好きなのですから。好きなものにまみれて幸せだよあたしゃ。

 

 

 

 

 

毎年、その1年間で好きなものを並べてみると、社会の傾向、自分の趣味嗜好が少し読み取れてきて面白い。2020年も鼓膜を酷使します。

  

 

2019年劇場公開映画 マイベスト10について書かせてください

 2019年もなるべく映画館に足に運んで、劇場公開された映画を観に行ってきました。心を揺さぶられる映画、考えさせられる映画、愚痴ってしまいたくなる映画、色々ありました。私の個人的見解ですが、ベスト10を決めましたので、よろしければご覧くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

10位:あの日々の話

takano.hateblo.jp

 


 

 

 

 

9位:グリーンブック

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8位:ミスター・ガラス

takano.hateblo.jp

 


 

 

 

 

 

 

 

 

7位:WE ARE LITTLE ZOMBIES

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6位:ドクター・スリープ

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5位:アス

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4位:愛がなんだ

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3位:ブラインドスポッティング

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2位:ジョーカー

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1位:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

takano.hateblo.jp

 

 

 

 

今年はとにかく「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」がオールタイムベスト級の衝撃でした。期間限定で公開された延長版も含めて3回も観に行ってしまった。出てくる登場人物が愛くるしすぎて、ずっとあの世界を見に行きたくなる。「ジョーカー」も「ブラインドスポッティング」も現代社会の問題とリンクするテーマとクライマックスの没入感で、すごい心に残っています。いやあアメリカ映画強えなあ。残念ながら最優秀猫映画は「該当なし」でした。来年もいっぱい観るよ!!

 

 

 

俺の短歌ベストヒット2019

年末なので、色々なところで露出した私の短歌をいくつかまとめたいと思います。

 

 

バスドラム鳴らして母にお雑煮のお餅の数を伝えるドラマー

この町の空しか知らない熟れてないバナナも海を渡っているのに

ふたりともふた開けられずにジャム瓶は往復をする 笑い飯かよ

新しい衛星になる月面で柔道王に巴投げされ

新潟と書くとき隙間を空けましょう 潟の隙間にバラを差すから

チャーハンを下着のままで炒めてるこぼしたご飯を頬張りながら

満月をひとつふたつと折りたたみひかりとろりと流れるオムレツ

野性時代「野性歌壇」より)

最近の主な表現場所は、野性歌壇。今年は特選も獲得したり、一気に2首掲載もあったり、なかなか嬉しい一年になりました。ありがたい限りです。こうやって並べてみると食べ物が入った短歌ばっか作ってるんですね。短歌を詠んで食欲を満たしている生き方です。

 

 

 

 

宛名書く母の姿を見つけたら舌を垂らしてただ待っている

ダ・ヴィンチ「短歌ください」)

「短歌ください」も久々に掲載されました。たしかテーマは「舌」だったかと思います。こちらもなんとか掲載されるよう気張っていたいところ。ほむほむに自分の短歌を見てもらっている幸せ。それだけで星占い最下位の日だって生きていける。

 

 

 

 

だんだんとインクかすれてXXX-XXXX-XXXX

核ボタン押す前に押す XXX-XXXX-XXXX

(第62回短歌研究新人賞)

毎年ひねり出して応募している短歌研究新人賞、結局載ったのはこの2首のみ。M-1なら3回戦敗退。お尻の577をすべてXXX-XXXX-XXXXというので試してみたけど、システムに頼りすぎたというか、これだけで30首作り切るのは無理があったなあ。この新人賞は送る回数が増えれば増えるほど、何が評価されて、何が評価されてないかわからなくなるから、どんどん迷路にはまっていく。だから奇抜なシステムに走りたがるんじゃない?

 

 

 

 

帰り道 右旋回し薄暗いフロアの隅から本編開始

小刻みに背とハイライト揺れている ラジオの光の下でLate Night

ランダムで惑星ゼーベス バニラバーほおばりながらマジギレしてる

ねえパーシー世界を回してこの揺れでどこでも行ける今日はハワイへ

終電で読む星占い当たってて涸びた瞳の奥からドゥザナイ

 

(TANKASONIC「chelmiconori」)

ネットプリントの「TANKASONIC」に今年も参加させていただきました。大好きなラップユニットのchelmicoをテーマにして、現代的な韻踏を短歌の中でやってみました。言葉遊びが好きなので、楽しみながら作った記憶があります。重く心に響く一首も、相聞歌も大事だけど、こういう音を楽しむ短歌ももっと世に出てよくないですかね?色々なスタイルの作品が評価される世界でありますように。

 

 

 

今後も、しっかり短歌を作るようにします。そして、露出の数もぼちぼち増やしていきたいっす。