砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

俺の短歌ベストヒット2019

年末なので、色々なところで露出した私の短歌をいくつかまとめたいと思います。

 

 

バスドラム鳴らして母にお雑煮のお餅の数を伝えるドラマー

この町の空しか知らない熟れてないバナナも海を渡っているのに

ふたりともふた開けられずにジャム瓶は往復をする 笑い飯かよ

新しい衛星になる月面で柔道王に巴投げされ

新潟と書くとき隙間を空けましょう 潟の隙間にバラを差すから

チャーハンを下着のままで炒めてるこぼしたご飯を頬張りながら

満月をひとつふたつと折りたたみひかりとろりと流れるオムレツ

野性時代「野性歌壇」より)

最近の主な表現場所は、野性歌壇。今年は特選も獲得したり、一気に2首掲載もあったり、なかなか嬉しい一年になりました。ありがたい限りです。こうやって並べてみると食べ物が入った短歌ばっか作ってるんですね。短歌を詠んで食欲を満たしている生き方です。

 

 

 

 

宛名書く母の姿を見つけたら舌を垂らしてただ待っている

ダ・ヴィンチ「短歌ください」)

「短歌ください」も久々に掲載されました。たしかテーマは「舌」だったかと思います。こちらもなんとか掲載されるよう気張っていたいところ。ほむほむに自分の短歌を見てもらっている幸せ。それだけで星占い最下位の日だって生きていける。

 

 

 

 

だんだんとインクかすれてXXX-XXXX-XXXX

核ボタン押す前に押す XXX-XXXX-XXXX

(第62回短歌研究新人賞)

毎年ひねり出して応募している短歌研究新人賞、結局載ったのはこの2首のみ。M-1なら3回戦敗退。お尻の577をすべてXXX-XXXX-XXXXというので試してみたけど、システムに頼りすぎたというか、これだけで30首作り切るのは無理があったなあ。この新人賞は送る回数が増えれば増えるほど、何が評価されて、何が評価されてないかわからなくなるから、どんどん迷路にはまっていく。だから奇抜なシステムに走りたがるんじゃない?

 

 

 

 

帰り道 右旋回し薄暗いフロアの隅から本編開始

小刻みに背とハイライト揺れている ラジオの光の下でLate Night

ランダムで惑星ゼーベス バニラバーほおばりながらマジギレしてる

ねえパーシー世界を回してこの揺れでどこでも行ける今日はハワイへ

終電で読む星占い当たってて涸びた瞳の奥からドゥザナイ

 

(TANKASONIC「chelmiconori」)

ネットプリントの「TANKASONIC」に今年も参加させていただきました。大好きなラップユニットのchelmicoをテーマにして、現代的な韻踏を短歌の中でやってみました。言葉遊びが好きなので、楽しみながら作った記憶があります。重く心に響く一首も、相聞歌も大事だけど、こういう音を楽しむ短歌ももっと世に出てよくないですかね?色々なスタイルの作品が評価される世界でありますように。

 

 

 

今後も、しっかり短歌を作るようにします。そして、露出の数もぼちぼち増やしていきたいっす。