砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ロンドン降臨記5

(大分間が空いてしまった。。。。これで最後です。)

 

ロンドンの実質的最終日。もうロンドンでやりたいことを一通り成し遂げてしまったのでエクストララウンドに突入。優雅にカフェでコーヒーとイングリッシュブレックファーストを決めて、何をしようかダラダラ。

 

そういえばロンドンは、大英博物館の他にも無料で入れる博物館が色々あるとの情報を思い出した。サウスケンジントン駅で降りて、自然史博物館へ向かう。いきなりでっかい恐竜の骨格標本があって、それだけでもうドキドキする。これこれ、これが博物館だよ!館内は哺乳類や、昆虫の展示などいくつかのゾーンに別れていて、その中で地学に関する展示へと続くエスカレーターに心奪われる。

 

延々と続く上りエスカレーターは、地球の内部を模したオブジェの中を貫いており、階上へと続く。まるで自分がマントルへ突入するかのよう、心の中で「センター・オブ・ジ・アースじゃん!」と、博物館をテーマパークで例える品のない考えに苦笑する。

 

その地学のコーナーには火山灰や噴火のメカニズム、地震に関する展示があって、そのうちのひとつに、阪神淡路大震災のブースがあった。スーパーマーケットのようなセットになっていて、買い物中に地震にあったという状況のもと、実際にセットが揺れて当時の地震を体験できるという仕組みだ。

 

地震の国から来た者として、どんなものかと、そのセットの中に入る。ゴゴゴと不気味な音を立てながらセットの地面が揺れだす。地元の子供達はじゃれながらも、セットに備え付けの手すりに捕まっている。阪神淡路大震災を被災していないけど、こんな微々たる揺れじゃない。こんなんじゃ日本の地震に対応できないってロンドナーよ。これがプレートの狭間にそびえ立つ日本のプライドさ。

 

自然史博物館に行った結果、変なプライドだけが競り上がってきた私はこの度の最後の目的地としてカムデンタウンに向かった。カムデンのマーケットはいわば日本で言う原宿とか下北沢とか高円寺みたいな雰囲気がひとつにまとまった街で、古着屋さんが至るところに並んでいる。通りを歩いていたら、紛うことなきパンクスの青年たちがいて、テンションが上がる。モヒカンにスタッズにドクターマーチン!京都で舞妓を見かける訪日外国人の気持ちとつながった。

 

そのカムデンタウンの奥を突き進んでいると、目の引く人型の像が現れる。

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歴史を感じる町並みに突然現れるサイバーパンクな世界。ここはサイバードッグという、蛍光色などサイバーなアイテムを売っている服屋さんであった。中はクラブのようにブラックライトが光っていて、店員さんの衣装がピカピカ光る。バルコニー?みたいに2階から少しはみ出た足場からは、入れ墨や蛍光や取りまとった露出度の高い女性2人が踊っている。サイバーロンドンダンサーズだ。サイバーロンドンダンサーズは体をくねらせる。無意識に私の注目はそれに向かう。

 

 

あれ、初めてのロンドンなのに、この感覚は覚えがある。そうだ、これは新宿にある近未来施設だ。メタリックなロボットが動き出し、直線を補うように、女性たちは曲線を描き出すその世界だ。え、ロンドンって新宿だったの?都市と都市は地下でつながっているのか?僕が訪れている世界は表面だけだった?と思いを巡らせていたら、お尻に大きな衝撃があたる。目を覚ました僕は、シートベルトを締めていて、周りの人々がそわそわしだした。成田空港に到着したというアナウンスが聞こえて、僕はようやく帰りの飛行機に搭乗していたことに気づいた。