砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

ロンドン降臨記4

3日目がスタート。もう体内時計はバッチリだ。観光できる時間はあと丸2日。とにかく、めぐるだけめぐってやろうと誓ってまず向かったのがアビーロード。調べてみれば、今年はビートルズのアルバム『アビーロード』が発売されてから50年の節目の年だという。そいつは運命だとこじつけて、世界で最も有名なロケ地のひとつに行くことにした。ちなみに私は『アビーロード』をちゃんと聞いたことがない。おのぼりさんである。

 

アビーロードといっても横断歩道だ。最寄りの駅までは着いたが、当たり前のように目の前にはたくさんの横断歩道がある。この前のアナザースカイで、ビートルズ大好きのヤスケンが迷っていたし、一箇所一箇所、アルバムのジャケットと比べながら答えを見つけなければいけないのかもと思っていた。が、あっという間に杞憂に終わった。人の流れに任せて歩いていけば、あるひとつの横断歩道に異常なまでの人数。そして、異常なまでに横断歩道を何度も往復する集団。これは紛れもない、アビーロードだ!

 

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中には、ビートルズのTシャツを着ている人もいる。観光地 of 観光地に来ている幸せを噛みしめる。自然とテンションが高まる。そして、観光客の集団の中に紛れて、ついにアビーロードを渡り切ることに成功した。不自然な往復もした。小さな達成感を味わう。母さん、俺ロンドン旅行満喫してるよ。

 

こうなれば、ザ・ロンドン的名所を巡る日にしよう。次の目的地はテムズ川沿いの建物たちだ。ぱっと広がる大河のむこうには、いろいろな逸話を抱える世界遺産・ロンドン塔と、ロンドンのランドマーク、タワーブリッジである。一面見渡す限りの曇り空、頭の中のロンドンと実際のロンドンが合致して体が熱くなる。

 

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アビーロードも制覇したのだからとタワーブリッジも渡ってみることにした。テムズ川を横断しながら浴びる風は気持ちがいい。ダブルデッカーが車道を走っていてロンドンらしさが高まったんだけど、それをぶち壊すウィリーの少年がクールだった。

 

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私の中でタワーブリッジと検索すると、サジェストワードに出てくるのはロビンマスクだ。相手を担ぎ上げて背骨を痛めつける技の名前を、タワーブリッジと名付ける品の良さに思いを馳せる。そうやってロビンマスクに思いを馳せたくなるのには理由があった。実はこの日、ロンドンで新日本プロレスが興行をやるのである。たまたま滞在日時が自分と一緒、ということなので行ってみることにした。

 

別に日本でも見れるのだが、一番の目的は非日本感である。よく見ている選手がロンドン市民にとってどのように受け入れられているのか、観客のノリやリアクション、会場全体の空間を味わいたかった。

 

会場に入った途端から、日本とは異なる熱気にとろけそうになった。いい意味でやかましい。序盤の試合なのに自然発生するチャントの応酬。いつの間に会場でチャントの統率が取れているのが恐ろしい。フットボール文化が根付いているからチャントも自由自在なんだろうか。笑ってしまったのが、"Fxxk you Brexit!!"のチャント。関係ないだろ!とツッコミたくなるが、これこそ自分が触れたかった空間である。

 

棚橋がベルトを奪取してよろこぶファンを見て、仲間意識が芽生えた。ロンドンでプロレスを語れるパブを知りたかった。(結局行かずに宿に直帰する)

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