砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

アイスケーキ(結成6年目)

サイゼリヤに週1ペースで行っている。晩御飯を作るのもめんどくさい。かといってあまりお金を使いたくないという心理状態が頻繁に現れるのだけど、少し帰り道を遠回りしたところにあるサイゼリヤは、その欲望を過不足無く満たしてくれる。

 

カフェは喫茶店とは違う喧騒もなんだか好きだ。金曜か土曜の深夜にサイゼリヤに行けば、大体、大学生の集団はドリンクバーを片手に恋バナをして、40代ぐらいの女性二人組はデカンタでワインを空けながら恋バナをしている。おっさんの集団は辛味チキンをつまみながら、仕事の愚痴を喋っている。恋バナしろよ。

 

そんな賑わいの中で私はひとりで入店し、黙々と腹を満たす。歳をとったからか、ひとりでファミレスに入るなんていう恥じらいはどこかへ消えてしまった。会計待ちをしている大学生の集団には一瞬ビビるけど。

 

大体さっと食べれるパスタ系を頼むことが多い。たまにディアボロ風のチキンステーキ。調子がいいと、デザートも頼む。頼まないときもあるが、メニュー表の最後部をチェックして自分自身にお伺いを立てて、注文ボタンを押すのがルーティーンだ。

 

今日もデザートの最後部を眺める。デザート名の表示の仕方にふふふとなる。

 

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カプチーノとティラミスのあとに注釈のように添えられた(アイスケーキ)。私はこれが、コンビ名に見えてしょうがなかったのである。テレビの見すぎ、バラエティの見すぎ、エンドロールの見すぎと言われても仕方がない。ただ、私の中ではむくむくとアイスケーキという若手コンビの人となりが立ち上ってくる。

 

結成6年目のアイスケーキは東京のライブシーンを中心に活躍している。最近はK-PROのライブにも呼ばれたりしている。主にコントを中心にやっているが、たまに漫才もやったりする(といっても、M-1用という意味合いが強い)。コンビ名の由来はお互いの好きな食べ物を並べたという安直な理由である。

 

ボケのティラミスは、少しとがったタイプで、一匹狼な性格。シュールなボケが多い。ネタを書いているのもティラミスで、「音不動産」とか「めくるやつ」とか「じゃんけんの手が256ある日常」といった、独特の世界観のあるコントを作成している。YouTubeで見たラーメンズのネタをきっかけに、芸人への道を志したらしい。

 

ツッコミのカプチーノはティラミスと違って、飲み会にも積極的に出たり、先輩との関係を重んじるタイプ。かといって後輩後輩していないところが、業界内では評判が良かったりする。ティラミスの描く不思議な世界に対しても、違和感なく紛れ込み、飄々とツッコむ感じはポップささえ感じさせる。漫才のときは、ツッコミらしくツッコんでいるよう使い分けているとのこと。特技はボウリングで最高スコアは299。

 

そんなことを妄想しながら、店員さんを呼んでアマトリチャーナカプチーノを注文した。店員さんが言うことにゃ、もうカプチーノは期間限定外のメニューで置いていないとのこと。アイスケーキは、どうやら解散してしまったらしい。ピン芸人としてのティラミスの活躍に期待したい。