砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

誰かとファミレスに行きたい、生きたい。(『僕らのごはんは明日で待ってる』観たマン)

僕らのごはんは明日で待ってる』を観た。


Hey! Say! JUMP中島裕翔主演『僕らのごはんは明日で待ってる』予告編

 

おっさんが、若き日に完全に取り逃した系の正統派の青春ラブストーリー。黄昏がちな文学少年・葉山と、ズバズバと自分の意見をいう上村の高校〜社会人生活の恋愛模様をほのぼのと描いた作品。主演はHey!Say!JUMPの中島裕翔と、新木優子のご両人。この前の『太陽を掴め』の岸井ゆきのさんに続き、『ピンクとグレー』出演者が私の新年の映画ラインナップ。

 

takano.hateblo.jp

 

物語は高校時代の体育祭の場面からはじまる。そのうちの1シーンのあとに、タイトルが表示されるのだが、そのタイミングが美しい。あっという間に本作品の虜になった。

しかし、映像を見る限り制服姿の中島裕翔がモテないなんて、、と要らぬ不満。JKの頃の審美眼なんて所詮そんなものである。見た目が数学得意にしか見えないのがいけないのだろうか。

 

 

そして、ヒロイン役の新木優子さん。凛としたたたずまいに私のハートは真っ赤に染まる。すぐに彼女公式Instagramをフォローしたのはここだけの話。もっともっと横顔のシーンをくださいと願いながらも、上村という女性の哲学や、物語上ひとつのキーとなるひとつの事実に、胸が締め付けられていく。

 

少し脱線するが、現在公開予定の、“イケメンとかわいい女の子が2人だけの世界にハマって恋をする”系映画での「しかし、彼にはある秘密が…」の多さよ。秘密という言葉で便利にロマンティックな気持ちを与えるが、要は“プロット上の展開で…”である。騙されんなよお前たち!余命500年あっても恋人のことしっかり愛せよバカ!上映前の予告編であまりにも、この展開の作品が多すぎたので言っとこうと思ったまでだ。

 

話を戻そう。全体を通して、ケンタッキーでチキンを食べたり、ガストでハンバーグを食べたり、学生のデートとして、ごく日常的な場面が映し出されていく。ファーストフードやファミレスとはいえ、「食」という生きるための行動の中で、葉山と上村は互いの絆を深めていく。我々と遠くない情景描写で繰り広げられるドラマだからこそ、感情移入してしまうのだ。

 

僕らのごはんは明日で待ってる』を観たあと、まんまと誰かとご飯を食べに行きたくなった。産地直送の魚を使った海鮮丼や、平均★3.56以上のお店ではなく、ドリンクバーでおかわりできるような所で。肩肘張らずにお互いのことを少しずつ知って、徐々に親密さが増す数十分こそが幸せな時間なのだ。そういうことで、私は、お腹をすかせて貴方の返事を待っています。