砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

Zombize 音楽は僕らをゾンビにする

ちょっと前の話になるが、27時間テレビを20時間ぐらい観たけどところどころ面白かった。あんなん27時間、1秒残さず面白いなんてクオリティは求めてなくてところどころくる山場の爆発的場面に出会うものなのだ。今年はTOKAKUKAと劇団ひとり劇場の2場面がすさまじかった。

 

終盤の岡村さんのノンストップダンスは、ずっとめちゃイケを観ていた自分にとってはとんでもない感動的なものだった。おそらく走馬灯ってああいう感じだろうな。まるでスマブラのオールスターのように過去に対峙した困難を1時間で行ってしまうというルールなので、どうしてもこなしてしまう感が出てくるのが残念だったが、それでも岡女が出てきた時には、自分が学校の廊下でエンドレス「ほーほら行こうぜ!」と歌いながらあのダンスを歩いたことを思い出した。

 

そして、ケント・モリの存在感!素人でもわかるダンスのキレ、表現力のすごさ。しかもパートがオールディーズなめちゃイケ企画というのがたまらない。小西Doとかおニャン子とか長く観てきた世代に対するプレゼントとしか思えなかった。そして、そのダンスを全く新鮮なものにしてしまうケント・モリ!彼が“こっち”側の人間だったというのも嬉しい。

 

なんでもケント・モリはMJをめちゃイケでやってたスリラーのパロディで知ったらしい(多少話は盛ってるかもしれないが)。テレビに影響を受けた者が、テレビで記憶に残るパフォーマンスをして、次世代の誰かに影響を与える。なんだか、その一瞬を見れた気がした。

 

このケント・モリの逸話を聴いてからスリラーのPVを観たけど何回観てもかっこいいよなこれ。自分は毎月、「短歌の目」という題詠企画に参加しているのだが7月の作品の中でこんなものを発表した。

 

 

ぬばたまの夜に蘇るゾンビらを律儀に踊らすための四つ打ち

 

 

これも、明らかに潜在的にスリラーの影響を埋め込まれている作品だと思う。

 


Michael Jackson - Thriller - YouTube

 

改めて思うが、踊るゾンビってなんでこんなに美しいのだろう。統一されたゾンビのダンスに魔力があるし、“beat”を吹きこんだ音楽の強さを感じる。強い音楽の前では、死んだ者さえも支配されてしまうのだ。

 

音楽による支配といえば、この動画を思い出した。1分頃から見てもらいたい。

 


DJ for KIDS (KAZUHIRO ABO at 幼稚園) - YouTube

 

踊り方を知らないんだけど体が勝手に動いているのがわかる。ダンスミュージックとか、四つ打ちなんて言葉を知らない幼稚園児たちがまるで支配されたかのような凄さ(とどこかで感じる怖さ)。やっぱり音楽は魔力だ。魔術だ。幼稚園児もスリラーのゾンビのように支配されてしまった。で、子どもたちよ、ゾンビになるって楽しいよね。Zombize(Zombie+-ize)という単語を思いついたので使ってください。

 

振り返れば自分もちっちゃい頃からゾンビになっていたみたい。反復横跳びのような動きをしながら学校の廊下を練り歩いたり、股を開いて、胸を突き出してWOWOW言ってる子供ってそれはもう立派なホラーだ。ゾンビ教育はお早めに。

 


モーニング娘。 『ザ ピース!』 (MV) - YouTube