モテるしぐさのしくみ

ちょっとピークは過ぎたかもしれないが、モテる仕草として「壁ドン」というものがある。女性を壁に追いやり、右手ないし左手でその壁に手をつく。その男らしいパーソナルスペースの突破方法にキュンキュンするひとがいるそうだ。

 

そして、二匹目のどじょうを狙って肩ズン(肩にもたれかかる)や袖クル(背後から女性の袖をまくる)という、プロレス技の掛けはじめみたいな行為が横行しており、これもまた不思議なことに少なくとも支持を得ている。

 

この壁ドン、肩ズン、袖クルには共通点がある。不意に近づくor接触するということでドキドキさせるというのは、もちろんだが大事なのは漢字1文字+カタカナ2文字ということである。言葉の仕組みがわかりやすい。壁にドーン!肩にズーン!袖をクルクルクルクルー!と余計な言葉をつけずに行動を対象と擬音でまとめるだけで、誰しもがイメージしやすいのだ。Twitterなら1回の投稿で「壁ドン」って46回も書ける。46回なんて壁が壊れるか、俺の肩が壊れるかという極限のレベルだ。

 

ということは、漢字1文字+カタカナ2文字のルールを守った新しい女性をキュンキュンさせる仕草を浸透させれば、また新しいブームを起こせるのではないか。もう何匹目のどじょうなんかは気にしない。大事なのはどじょうがいなくなるまで釣り上げることなのである。さあ早速行動だ。いくつか考えてみよう。

 

 

眉ササ

「あれ?眉毛になんかついてるよ? 」とゴミをとろうと、相手の眉あたりそっと指でなぞる。もちろん、本当にゴミが付いているかいないかなんてどうでもいい死角を利用した非常に小狡いテクニックである。ポイントは、壁ドンや肩ズンのように出来るだけ距離を詰めること。至近距離で目と目があっているかのように錯覚すれば相手はドキドキするだろう。親指の原を使ってでゆっくりとなぞるのがベター。

 

肘ヴィン

肌の露出が多くなる夏に最も効果的なのがこれだ。ハプニング(バランスを崩すなど)を装って、相手の内肘の骨(通称ファニーボーンと呼ばれるアレ)を強く叩く。相手はその痛みと痺れに悶絶するが、そこですかさず「大丈夫ですか?」と気にかけよう。するとどうだろう。その包容力に好感を得た女子は、腕の痺れをときめきと勘違いしてしまうのだ。ポイントは思っている1割増しで強く叩くこと。ビンじゃだめ。ヴィン。下唇を噛んでヴィンだ。

 

首ガブ

袖クルとセットで実行したい背後系テクニック。そーっと死角から迫り、ドキッとさせたところでいつもより1オクターブ低い声で囁きながら首筋をがぶり。がぶりながら袖もまくってコンボ達成。できれば自分は由緒正しい血筋で、人間のことを好きになってはいけないみたいなストーリーをほめかしておこう。モンスターと人間の禁断の恋って好きでしょ?噛みついた時、きれいに傷跡が残るように犬歯をやすりで磨いとけよ!

 

膝コン

このテクニックには道具が必要。それは少し高さのあるイスとハンマー。相手をイスに座らせて、足が宙に浮いた瞬間を狙って膝をそのハンマーで叩こう。その突然の衝撃に驚き、相手は一瞬嫌な顔をするかもしれないが体は正直だ。ハンマーで叩いた時、脚が反射的に動いたらそれは恋愛対象として受け入れてるというサインだ。その一瞬だけ見逃すな。もし、脚が跳ね上がらなかった時は、突然叩いたことを謝り、お詫びとしてビタミンのサプリメントをあげよう。そいつは栄養不足だ。また、間違ってそのハンマーで肘ヴィンをしないように。骨が折れます。

 

今日はこのぐらいにしておこう。試しやすいものばかりなので、気になるアイツがいる諸君は早速行動に移してほしい。そして、この中から果たしてどじょうは何匹取れるのだろう。 はやく柳川鍋にして食っちまいたい。