砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

干支入替戦

年末年始にかけて久しぶりにInstagramの短歌専用のアカウントを更新しました。

連作のタイトルは「干支入替戦」です。長年干支が変わっていないのはおかしい。大半が哺乳類を占めているのは、優遇されている!他の分類も入っていないなんて不平等じゃないか!というところを発想の種として、現在の干支12首と入れ替えを狙う干支候補12首の24首をこしらえました。

 

Instagramではこちらから御覧ください。

www.instagram.com

 

【現在の干支12首】

年明けをまばたきせずに迎えたらねずみの親子みたいに愛して

蛍光の牛は光に吸い込まれ 品種改良技術の進歩

お揃いのアクセサリーとかしたかったもう虎だけど人を喰うけど

母のいる月へと浮かぶ子うさぎの後ろ姿はピースサイン

龍が往った空は青くて竜巻に満たない風にも名前があること

猛毒のスパゲッティを巻きぼくの命をフォークの蛇へと授ける

種によるがとてもスケベな馬は視野が500度らしい 馬になりたい

塗りつぶす 静かな夜は聖書(バイブル)に潜むsheepをひとつ残さず

蟹に柿投げてるところをスカウトに見られて年俸10億猿の誕生

青春をすべて捧げたアイドルのCDの方が鳥がよく逃げる 

公園を駆けるすべての犬までも口を閉ざしているこの世界 

いのししか?いや、いぼいのししか?いぼあるか?いぼってかつぼだ、つぼいのししだ。

 

【干支候補12首】

キマイラか何かかネコ目イヌ亜目クマ下目イタチ科のイタチよ

窪塚に猫のお化けが憑いてると言ってた友も父親になり 

岩陰のうつぼだ私は怖い顔しながら好きな子をただ見てる 

大量の宇宙ばったが飛んでいく 夏の夜空を見る恋人たち 

ユニコーンの一本角はにんじんをぶらさげるためではありません

井戸に住むかえるはソファーで寝落ちして つけっぱなしのNetflix

種によるがとてもスケベな鹿の角は50キロらしい 首疲れそう 

夕暮れの崖行くヤギよその空は明るいだろうか暗いだろうか 

腕時計焼けがまぶしいおじさんが寝ている昼の普通列車

アメリカに本社を構える大企業のロゴを貼られて舞うプテラノドン

人類で初めてウニを食べた人よりも讃えよ創った私を 

ジャイアントパンダが空から降ってくる たったひとつの世界の終末

 

 

みんな、短歌を愛してくれよな!! 

一番輝く隣の星へ(『アリー/スター誕生』観たマン)

『アリー/スター誕生』を観た。

 


映画『アリー/ スター誕生』予告【HD】2018年12月21日(金)公開

 

1月3日にしぶんぎ座流星群が流れていたことをてっきり忘れていた。その日は外に飲みに行っていたため夜の帰り道を歩いていたのに。年をとっても、サンタクロースを信じなくなっても、夜空を流れていく星に願いを込めたくなる。それほど、星というのは魅力的で魔力的なものである。ふしぎなことに空の上でなくても星はあって、例えば、唯一無二の才能を持ってぼくたちの生活を明るくしてくれる歌手や俳優、スポーツ選手だ。彼らのことを星と同じように"star"という単語を用いて崇める。

 

『アリー/スター誕生』は、新しい歌姫が誕生する物語である。しかも、その歌姫・アリーを演じるのがレディー・ガガなのだ。現在進行系でバッキバキに光り輝くスターが誕生前夜のスターを演じる。そのバックボーンだけでなんだか期待が高まるのだ。

 

アリーを、スターの階段へ導くのはブラッドリー・クーパー演じる大人気カントリー歌手のジャクソン。たまたま立ち寄ったドラァグ・クイーンの集うバーで観たアリーのパフォーマンスに心奪われたジャクソンは、アリーを自身のステージへ上げる。このバーのシーンでいきなりレディー・ガガのショータイム幕開けとなる。全然、原石感を隠せていない最上の数分間。バスケットコートに見知らぬ老人が現れたんだけど、もう体つきで、特殊メイクしているプロ選手なんでしょ?とわかるぐらいの圧倒感。何度も訪れるレディー・ガガのライブ・パフォーマンスを大画面で見るだけでも映画館で楽しむ価値がある。やっぱガガってすげえ〜!観終わって早速サントラを聞いてニヤニヤしています。

 

やがて恋仲となったアリーがスターダムを駆け上がるのと対照的に、ジャクソンは転落の人生を歩み始める。酒とドラッグに蝕まれる生活。逆転する地位。このあたりのジャクソンの苦悩は共感できないんだけども、なんだか心に響く。輝き続けなければならないスターならではの苦しみである。

 

スターとして輝いている中で、もし、自分の隣に一番輝く星が爆誕したら、、、ぼくたち遠くでその輝きを眺める人間は、その星々の等級の違いなどを考えずに敬うから、一番輝く星の隣の星が抱える劣等感や嫉妬に気づくことがない。ジャクソンの立場のような人間が一番孤独になりやすいのではないか。アリーという星は輝けば輝く分だけ、暗闇が作られるのだ。

 

 

 

なんか去年の書き残しいろいろ(スマブラとか宇多田とか)

あけましておめでとうございます。世紀末から20年ですよノストラダムスさん。本年もネットの片隅でこそこそやっていきますのでよろしくお願いします。

 

 

なんだかどうでもいいことは久々の更新になってしまいました。別にブログをサボってたわけというつもりではなくてただ、ひたすらにスマブラの新作をやってたのです。

https://www.instagram.com/p/BrCqaezlQyl/

参戦したるねん#smashbros #game #nintendoswitch #64世代#ピカチュウ芸人

 

全ての可処分時間がニンテンドースイッチに捧げられていたのです。こんなにゲームにのめり込んだのって小学生以来かもしれない。1日2時間はやっている。大晦日も元日もしっかりプレイしている。寝なきゃ寝なきゃと脳は思っているのに、指先が勝手に「つづける」を選択するものだから私は逃れられない。脳と体の仲違いをおさめる精神の俺という構図で年末年始やらせてもらっています。どうぞよろしく。一人用アドベンチャーモードも達成率100%にしたところで、がしがしオンラインでやられまくっているのが最近のハイライト。ピカチュウでピカピカしてるの楽しいんだけどね。

 

 

少し、去年の出来事で書き残したことがあるのでここでぼろぼろと。

12月8日に宇多田ヒカルのライブ「LAUGHTER IN THE DARK」に行ってきた。

https://www.instagram.com/p/BrINYPhlV54/

Hikaru Utadaにどんな形容詞を与えても霞んでしまう。そして奇跡の距離。.#宇多田ヒカル #宇多田光 #utadahikaru #laughterinthedark

 

とうとう宇多田ヒカルとのはじめての遭遇。チケット2回落選したときは、これが運命かとへこんでいたのですが、機材席で復活当選。悪運を溜め込んできた甲斐がありました。会場の中央に音響などの機材用のスペースがあって、その周りを囲むように機材席が並べてられている。私の席はそのスペースからちょうど2列目あたりで、機材は視界に入るけど、前方にあるステージを見る分にはまったく支障のない位置。ステージからまったく角度の無い席だと思っていたので、意外な好位置に、にやけ顔。

 

ようやくライブが始まる。な、生の宇多田ヒカルだーーーー!私の目を構成する視細胞たちをひとつ残らず集い寄せて生の宇多田を見る。備え付けのモニターで彼女の表情を確認しながら、舞台上の光景と照らし合わせる。ふたつの鼓膜を研ぎ澄ませて歌を聞く。いい具合にほぐれていくすべての筋肉たち。機材スペースの中にいる外国人スタッフもノリノリだ。そら仕事中でも踊りたくなる。最新アルバム中心なんだけども、往年のヒット曲もやってくれているあたりがニクい。顧客ニーズわかってんなあ。「Too proud」では自分でラップするし、そんで、ラップうまいし、なんでもできるのかよヒカル!希望しか無いな。

 

幕間のピース又吉氏とのショートムービーも想定外の作品だった。会場にいるみんなが、あの二人から生み出される言葉を落とさないように没入しているからこそ、あのような展開がバチッとはまるんだなあと感動していた。

映像の余韻に浸っている途中で、突然私の斜め左後ろから悲鳴が上がる。その異変に気づけば、なんだか機材スペースが騒がしい。と、そのとき機材スペースからなにかがせり上がり強い光が差した。

 

う、宇多田だーーーーーーー!サブステージが機材席の中に隠れていたのだ。「誓い」とともにかなりざわつく機材席周辺の私達。目の前に宇多田がいるのだ。わたくし、完全なる肉眼で宇多田ヒカルを目撃しました。現実です。

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この近さである。写真撮影OKのライブでこの距離だったら絶対撮るでしょ。2、3枚パチパチ撮ってあとは聞き入るだけ。ああ完璧でした。2回外れてよかったーーーー!人間万事塞翁が宇多田ーーーーー!平成生まれのくせにSMAPも安室ちゃんも生で見れなかったことに喪失感や一種の罪悪感を持っていた私ですが、ようやく平成に生きたという証を心に残せた気がするのです。