砂ビルジャックレコード

カルチャーの住民になりたい

博多・長崎たびの記録9

長崎2日目、宿泊しているホテルの朝ごはんにスムージーがあることに驚く。最近のビュッフェは洒落とる。

 

今日の目玉は、軍艦島。上陸するのは午後からなので、午前中はオランダ坂など、坂という坂をブラブラすることに決めた。オランダ坂の周辺には高校があって、テニス部のラリーの音が聞こえてくる。晴れた空とマッチして非常に心地よい。

 

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昨日であった龍馬の銅像で出会ったおじさんの話によると長崎市はすり鉢状になっていて、低い部分が都心部なのだそうだ。そういう地理が“坂の街”の理由らしい。細い坂道をぐんぐん下っていくと民家の前にいくつものベンチが置いてあって、坂の街の面白さを感じる。休憩用のベンチがまた、このコミュニティのチャットスペースになっているのだろう。

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誰がオロナミンCを飲んだのだろう。

 

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坂の町のヤクルトレディは過酷そう #yakultlady #nagasakicity #長崎

 

坂が多すぎて、自転車に乗れない長崎市民も一定数いるという都市伝説も聞いたがあながち嘘でもなさそうなぐらいの急勾配だ。自転車よりもスクーターで移動するおばちゃんしか見ていない気がする。

 

いい具合に乳酸が溜まってきた頃、軍艦島へ上陸する時間がやってきた。出発前に軍艦島ミュージアムで予習を行う。なんでも、当時の軍艦島の人口密度は世界一だったらしく、当時の東京の約9倍(!)だったそうだ。住民の生活水準も恐ろしく、家電(当時で言えば、三種の神器だ)の普及率がほぼ100%だったとのこと。ちなみに同じ時代の東京の普及率は、およそ10%。廃墟であることにとらわれがちだが、軍雁島は想像以上にハイテクアイランドだったのだ!

 

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船に乗り込み、ガイドさんの話を聞きながら海原を進む。と、とうとう姿を現した軍艦島。昨日の夜、バーにも寄ったとき、そこのお兄さんが軍艦島のモノマネをしてくれたのだが、そっくりだ。

 

軍艦島は、本当にただの廃墟であるが、その歴史を聞くごとに、ひとの姿をどことなく感じてくるのが面白い。保育所やパチンコ屋、ダストシュートがあったこと。人がいなくなれば自ずと時間が止まる人工物の儚さ。

 

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青しかない青空と、波音しかないこの島で、可視化された過去に触れる。

 

 

どんどん1巻をむさぼって

久々に、この世界感好きだなあという漫画に出会ったので1巻をむさぼった気持ちを残します。

 

もう、話題になりつつあるかと思う「約束のネバーランド」を遂に読んだんだけどもうヒリヒリヒリヒリ!

 ある孤児院で兄弟同然に暮らす、切れ者3人の子供が主人公。平和に暮らす彼らだが、「外」へ出てはならないと、孤児院のママから言われている。。。と、ここまでのあらすじで、「約束のネバーランド」が醸し出す気味の悪さが伝わってくるだろう。ふとしたことがきっかけで、この切れ者3人は「外」の秘密を知ってしまう。ここまで第1話なのだが、ものの見事に世界に引き込まれてしまった。

 

子供vs大人の心理戦。裏の裏の、また裏を読む展開に、ページをめくるスピードがあがる。(と、同時に状況を整理しなければいけないからページを戻ることもしばしば)、なんだか「デスノート」を読んでいたときのような感覚だ。

 

 孤児院の子どもたちの日常描写として、鬼ごっこの場面があるんだけども、その鬼ごっこというルールが様々なかたちで物語に投影されている。鬼ごっこって想像以上にシリアスな遊びだったことに気づく。そういえば鉄腕DASHで、そんな企画あったよね。

 

私は勢い余って2巻まで行ってしまったけど、また衝撃的な事実を挟むものだからやめられないとまらない。ええこのまま突っ走りましょう。鬼の居ぬ間に漫画。

 

 

ヒリヒリの対義語はダラダラでいいのだろうか。なんだかダラダラしたくなる漫画も見つけてしまった。「CITY」だ。

 

私は「街」という複合体が醸し出す空気感が大好き(なので私はシティボーイにあこがれている)なのだが、その空気感が「CITY」の登場人物からひしひしと伝わってくるのが素晴らしい。これがシティ・ポップ漫画だ。

 

街を舞台にした漫画というと一話完結なイメージだったのだが、CITYは、ひとくせもふたくせもある登場人物(ただのクズ、無駄に強いばばあ、ひとり語りがすごい警察官など)の行動が、伏線となって効いてくる。変な人たちがぶつかりあった余波がひずみを生み出す。そのひずみがおかしいのだ。

 

1話では、見開きで街と、その街に住む人々の絵が描かれている。1巻を読み終わったあとにもう一度開くと、ドタバタしていた登場人物や見たことある苗字がちらほらあって、この街の活気に気づく。

 

 

博多・長崎たびの記録8

茶碗蒸しで満腹のため、消化を兼ねて、長崎を再び散策をする。少し坂を登ったところに公園があって、そこには坂本龍馬銅像があった。こんな市街地のフランクなところに、突然龍馬が現れて思わず写真を撮影。

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この写真を撮っている2秒後ぐらいだっただろう。後ろから「あんま似とらんやろ」という長崎弁が聞こえる。振り向くと浅黒いちいさいおじさんが、私に話しかけている。私は、歴史マニアでは無いので、この龍馬が似てるのか似ていないのかわからないのだが、おじさんは私の回答を待たずに話し出す。「お披露目のときにきたんだけど、除幕のときにあちゃーって。似とらんよこれ!って」

 

そして、おじさんはエンジンがかかる。もっと似ている銅像が長崎の別の所にあるということ、この公園の近くで坂本龍馬が遊んでいたこと。長崎トリビアは興味深いのだが、どうしてもおじさんのナイロンジャケットが気になる。ナイロンジャケットの右手首の一部が透明のビニールで出来ているのだ。腕時計見るためにスケルトンになった右手首を見て、「防水加工の買えよ」と思ったけど口には出せなかった。

 

おじさんは、いつの間にか福山雅治の話をしている。長崎の人は福山雅治のエピソードを必ず持っているという都市伝説を聞いたことがあるが本当だった!稲佐山の方が実家であること、よく訪れたラーメン屋(その公園の比較的近くにあった!)について教えてくれた。。。。と思ったら、今度は「美輪明宏はこっちやね」、「さだまさしはね・・・」、「蛭子能収はね・・・」と有名人の実家のある方角を指で示す。蛭子さんって長崎出身なのかよ!

 

おじさんは止まらない。いや、私が止めなくてはいけない。「川口春奈五島列島やね・・・」なんて幅広い情報量。おじさん、長崎の有名人好きすぎるよ!おじさんが息継ぎをした瞬間を見逃さずに、別れを告げて公園を去った。あのまま捕まっていたら私が銅像になるところであった。

 

 

 

ということで、最後に長崎で見つけた看板にひとこと言いたいと思います。

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モンスターボールみたいな「こ」してんな!!

 

 

9は軍艦島に上陸!(してるはず)